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日本電気 ブラジル法人=「NECブラジル」設立=ブロード バンド市場拡大踏まえて=南米全体で売上げ伸ばす=新しいプロジェクトを

ニッケイ新聞 2008年3月6日付け

 NEC(日本電気株式会社)は先月二十八日、同社ブラジル法人であるNEC・ド・ブラジルとNECソリューションズ・ブラジルを統合し、新たに「NECブラジル」を設立すると発表した。社長に日系二世の山室信(やまむろまこと・46・サンパウロ市出身)氏が就任。ブロードバンド市場の拡大を踏まえて、二〇一一年度に現状の約二倍となる十億ドルの売上を南米全体で目指す新プロジェクト、「フェニックス2・0」を打ち立てた。サンパウロ市内NEC・ド・ブラジル本社で開かれた記者会見で明らかにした。
 同社のブラジルにおける〇七年度売上は、前年度比一四%増となる約三億三百万ドル(約五億百万レアル、一レアル=1・65ドル換算)。ブラジル国内でも一一年時には、ほぼ二倍となる六億ドルの売上を狙う。
 山室氏は四月一日から正式に社長に就任する。「(ブラジルでは)ドル換算で年平均二〇%以上の成長率を保っており、これを維持できれば十分達成できる目標」と自信をのぞかせる。
 NECは一九六八年、現地法人となるNEC・ド・ブラジルを一九六八年に設立、電話交換機の製造販売や電話網の整備など、通信事業社向けの事業を展開してきた。〇五年には本社から千八百万ドルを投入し、民間企業向けにITネットワーク・総合ソリューションを提供する新会社「NECソリューションズ・ブラジル」を設立した。
 記者会見で、訪伯した渡辺洋一NEC執行役員(同社海外キャリアソリューション事業本部)は、「両社が統合することで事業展開がより効率的になる」と強調。アルゼンチン、チリ、コロンビア、メキシコなどにある現地法人やその他各国の営業支所との連携を強化、他会社の買収案を視野に入れながら新規顧客の獲得をすすめる。
 山室氏はサンパウロ理工科大学(POLI―USP)電気工学科を卒業。経営マーケティングを大学院で学んだ。システム・エンジニアとしてNEC・ド・ブラジルに一九八七年入社。八八年から九〇年にわたり東京で勤務。近年は幹部役員として、パウロ・カステロ・ブランコ同社社長をサポート、経営管理全般を指揮していた。

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