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ニッケイ新聞 2008年3月18日付け

 援協の福祉センター建設事業の募金活動で、一般からの浄財が多く寄せられているようだ。先日はヨーロッパ旅行を企画していた夫婦が、援協の事業を知って、旅行を急遽キャンセル。その旅費二万レアルをそっくりそのまま援協に寄付した。また金婚式の祝儀を日系社会のために役立てて欲しいと、三千四百レアルを寄付した日系夫婦もいる。十日にも日本人女性が事務局に現れ、五千レアルを寄付していった。「本当にありがたい限り」と関係者は感謝しきりだ。
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 米国生まれの黒人演歌歌手ジェロ(ジェローム・ホワイト・ジュニア、26歳)が、日本で話題を呼んでいる。ヒップホップスタイルの衣装を着た黒人が、演歌を熱唱する姿に若者ファンが激増していると報じられている。デビュー曲「海雪」は、報われぬ愛に身を焦がし、海に投身する様を描いた曲だとか。黒人とのウリだが、実は祖母が米兵と結婚して米国に移住した日本人で、れっきとした日系三世。小さい頃は演歌を歌って聞かせるとおばあちゃんが喜ぶからやっていたが、そのうちに自分が夢中になってしまったとか。ブラジルにも演歌の上手い日系、非日系人はけっこういるが、やっぱり米国生まれだから注目される?
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 今週はキリスト教のセマーナ・サンタ(聖週間)で、金曜はパイション(キリスト受難日)で祝日。この時期、スーパーには卵型やウサギ型のチョコが山積みになるが、どうしてか。諸説あるが、ドイツ移民のキリスト教徒がブラジルに持ち込んだ習慣らしい。いわく、貧しい家庭の母親がパスコアのプレゼントにと彩色した卵を庭のウサギの巣に隠しておいた。それを、子供が見つけた時にたまたまウサギが通りかかり、近所で話題になったことから広まったとか。多産のウサギや、生命力を想起させる卵のイメージが相まって、キリストの再生を象徴する贈り物の習慣につながったとか。

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