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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2008年4月16日付け

 しばらく前に「老人力」という言葉が盛んに使われた。最近は「地頭力」(じあたまりょく)がよくいわれている。前者は高齢者も捨てたものじゃない、胸を張れ、と〃激励〃のための使用であったが、後者は老若男女に関係なく「これがあればよい」あるいは「発掘できればすばらしい」という力のことらしい▼老人力について復習すると、物忘れや繰り言、ため息は、従来忌み嫌われるものであったが、これらには生きていくために必要な、潜んでいる未知の力があるのだ、という考え方をして、作家の赤瀬川原平が主唱したものである▼さて、地頭力である。NHKの最近の番組によれば、端的に「富士山をそっくり移すには?」とか「五大陸のうちの一つを無くすとしたら、どれにする?」といった、従来常識的には問いにするのもあり得なかった設問に答えを出す能力のことをいうらしい。これらは、入社試験で出題され、志願者の「アタマ」が試されているのである▼もう読者もお分りと思うが、最近の企業は、詰め込んだ知識や過去の体験の積み重ねだけでは、これから盛業させていくには不足だ、他に太刀打ちできなくなる、と本気で考えている。何もないところ、つまり「無」から「有」を生み出す能力こそ必要とされる、といっている▼実は、老人力もいいが、富士山や五大陸ほど話は大きくなくてもいいから、地頭力が発揮された発想が、日常、老人にもあれば、楽しいんではないか、とこの話を書いてみた。(神)

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