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〃祖国〃感じさせる不思議な魅力=日伯交流年=「江戸の工芸」展、聖市で開幕=日本の文化庁の重点事業=中南米地域で最大規模

ニッケイ新聞 2008年4月19日付け

 日本の文化庁、サンパウロ州立美術館の共催による海外古美術展「色彩の開花 : 江戸の工芸~O Florescer das Cores:A Arte do pariodo EDO~」が十七日、同州立美術館(ピナコテッカ)で開幕した。国宝一点、重要文化財八点を含む日本の美術品百六十六点が出展された同展示会。十七日夜の開幕式には青木保文化庁長官も出席、当日だけで八百人以上が訪れるなど、関心の高さをうかがわせた。同展は六月二十二日まで開催される。
 同展は三年前から準備を進めてきたもので、中南米地域でこれだけの規模の日本古美術展が開催されるのは初めてのことだ。
 江戸時代(一六〇四―一八六七)の工芸品、着物のほか、鎧、刀などの武器・武具、陶器などを出展。中でも陶器には多くのスペースが割かれ、二千年以上前の縄文土器から江戸期の磁器まで、時代別に展示。形状、技法の変化と発展の流れが概観できる趣向になっている。
 十七日午後七時半から開かれた開幕式は、同美術館のマルセロ・マットス・アラウージョ館長が司会をつとめ、青木文化庁長官のほか、州知事代理としてジョアン・サヤジ聖州文化局長、西林万寿夫総領事などが出席。事前の準備にあたった齋藤孝正・文化庁主任文化財調査官も壇上に上がった。
 青木長官は、同展開催への喜びを表し、ブラジルに根ざし活躍する日系人に「今後も両国友好の架け橋として活躍してほしい」とあいさつ。「一世の人には懐かしい日本の文物、二、三世の皆さんにとっては祖先の文物と出会う機会になれば。展示会を通してブラジル人の日本への関心が深まり、両国文化交流促進につながることを期待します」と述べた。
 西林総領事は「日本政府の交流年行事の中でも最大規模の重要な行事」と同展を位置付け。同美術館ほか、美術品輸送に協力した日本航空、協賛のブラデスコ銀行など関係者へ謝意を表した。
 サヤジ文化局長は、中東系の子孫である自身を例に挙げながら、「〃祖国〃を感じさせる身近さの一方で、その繊細さに手の届かないものを感じさせる。日本とブラジルを同時に訪れたような不思議な気持ちになる展示」と同展を評価。両国関係機関にあらためて感謝の言葉を述べた。
 式終了後は、来場者が展示場へ。時代別の土器、陶磁器をはじめ、振袖、内掛けから豪華な刺繍をほどこした歌舞伎、能の衣装など多彩な着物類、刀や鎧などの武具、繊細な漆工品など各部門に分かれた展示品の前で足を止めていた。
 会場を訪れた関根いつこさん(聖市在住)は「日本でもこれだけまとめて鑑賞できる機会はない。陶器に興味がありましたが、古さを感じさせない素晴らしいものばかりでした」と話していた。
 「「色彩の開花 : 江戸の工芸展」は六月二十二日まで開催。開場時間は午前十時から午後六時。月曜休館。入場料四レアル(土曜日は無料)。会場(州立美術館)住所=Praca da Luz,2、電話=11・3324・1000

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