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水曜シネマ・11日=『ブラジルから来たおじいちゃん』=栗原監督が来場呼びかけ

ニッケイ新聞 2008年6月11日付け

 日本人老移民と在日ブラジル人との交流を描くドキュメンタリー『ブラジルから来たおじいちゃん(栗原奈名子監督、〇七年、約一時間)』が、きょう十一日午後一時から、文協水曜シネマで特別上映される。十日午後、CIATE(国外就労者情報援護センター)の佐倉輝彦専務理事と九日来伯した栗原監督が来社し、多数の来場を呼びかけた。
 同作品は、毎年日本のデカセギをたずねて訪日している紺野堅一さん(当時九二歳)が、若いデカセギらと交流し、自身の体験を振り返るストーリー。紺野さんが公立の小中学校を訪れ、現役の教師らと懇談、在日日系子弟の将来について考えるシーンほか、デカセギ家族の率直な想いが映し出される。
 三十年前の初来伯で紺野さんと知り合ったという栗原監督。〇四年に再来伯したおり、紺野さんが毎年日本に行き、デカセギの日系家族と交流していることを知り、撮影を始めた。
 今回はポ語字幕、音楽やナレーションを付けてのリメイク版の上映。日本育ちの日系子弟とリオ出身のブラジル人が字幕作りを手伝った。
 上映会に先立ち、栗原監督と九十五歳の紺野さんが舞台あいさつする。上映後、来場者と監督、紺野さんらとの質疑応答がある。
 栗原監督は「目まぐるしく変化するグローバル社会において、移民としての紺野さんの視点は、現代をどう生きるべきかを考えさせてくれる」と話す。
 佐倉専務理事は昨年七月、海外・汎米日系人合同大会にあわせてCIATE主催で同作品を初めてブラジル上映したことにふれ、「昨年よりも作品に手が加えられている。抒情をそそる仕上がり」と鑑賞を強く奨めた。

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