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皇太子さまを迎える文協ビル=改修費総額30万レアル=建設以来の「大掃除」

ニッケイ新聞 2008年6月14日付け

 皇太子さまが二十六年ぶり、二度目のブラジル日本移民史料館へのご訪問を二十日にされるにあたり、文協ビルのお色直しが急ピッチで進んでいる。正面玄関や大講堂前の大ホール、エレベーター前の床や階段など、総改装費は、約三十万レアル。今回の改装は、文協の百周年事業として行なわれているが、関係者らは「殿下が来られないとも聞いていたので、今回のご訪問は嬉しい限り」と喜んでいる。
 一九五八年にご来伯した三笠宮殿下臨席のもと、定礎式が行なわれた文協ビルは、以来皇室関係者が必ず立寄られるブラジル日系社会を代表する建物だ。
 〃コロニアの殿堂〃である大講堂は、六七年の皇太子殿下(現天皇陛下)ご来伯を記念し落成。移民史料館も七八年に同殿下をお迎えし、開館式を行なっている。
 昨年末に皇太子殿下ご来伯がほぼ決定した時点から、皇室との結びつきを強く感じている移民一世たちからは、「百周年に文協に来られるのか」との声も聞こえていた。
 先般、皇太子殿下が文協ビルにあるブラジル日本移民史料館を訪れることが発表された。続けて、天皇・皇后両陛下のご希望もあり、御下賜金が寄付されるというコロニアにとって二重の喜びとなっている。
 この発表以前から、文協は皇太子殿下ご訪問を視野に入れ、改装をスタート。 日伯修好百周年記念基金から助成を受けた二十万レアルのうち、十五万レアルをエレベーター二台の改修に充て、残り五万レアルは皇太子殿下が訪れる史料館九階部分の改装費となっている。
 ビル全体の外装、大講堂入り口の階段前の石畳、大ホール・エレベーター前の床、全階の階段の清掃、文協事務局のドアなどに十五万レアルが支出されている。
 文協の中島エドアルド事務局長は、「会館完成以来、これだけ大々的に改修したのは初めて。四十年の大掃除です」と話し、皇太子殿下をお迎えする準備には余念がないようだ。

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