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万感胸に迫る思い=岩手県人会、節目の50周年=日本から使節団迎え祝う=郷土思う気持、一堂に

ニッケイ新聞 2008年6月17日付け

 ブラジル岩手県人会(千田曠暁会長)の創立五十周年記念式典が、十五日午前、サンパウロ市文協大講堂であった。県人会会員はじめ、県庁、県議会、賛助会慶祝団、岩手郷土芸能団、盛岡山車推進会、ニューヨーク、アルゼンチン、パラグアイ県人会代表ほか、日系団体の代表者ら四百人以上が参加した。日本時間十四日朝に起きた岩手・宮城内陸地震対応のため、達増拓也県知事と高橋由一金ヶ崎町町長が十四日夜、緊急帰国するハプニングもあったが、式典では移民百周年の年にふさわしく、半世紀の節目を盛大に祝う記念すべき日となった。
 式典冒頭、多田マウロ副会長の開会の辞、州軍警楽隊伴奏による日伯両国歌斉唱、先没者への黙祷後、千田会長があいさつ。「今日の式典は親睦を旨に郷土を思う心、努力、また岩手県人の地道な活動から生まれた賜物」と力強く話した。
 達増知事を代理して祝辞を述べた岩間隆NPO・文化国際課総括課長に続いて、渡辺幸貫県議会議長は、先達移民の苦労と功績を称えたうえで「本日万感胸に迫りながら創立五十周年を迎えた」と述べた。
 西林万寿夫在聖総領事は、同県人会の文化活動を評価したうえで、「地震で被害を受けた岩手県の復興を祈りたい」とあいさつ。大石満雄花巻市市長は「四世、五世へと更なる県人会の発展を祈念したい」と語った。
 園田昭憲県連副会長の祝辞に続いて、同県人会の南部利昭名誉総裁(靖国神社宮司・旧南部家四十五代当主)は、「ブラジルと岩手が互いに手を取り合い、友好親善を深めていくことを祈りたい」と挨拶。今年創立十周年を迎えたニューヨーク県人会の岩崎雄亮会長は、「歴史あるブラジルの岩手県人会に今後も多くのことを学ばせて頂きたい」とした。
 祝電披露に続き、慶祝団や来賓から日系三団体と県人会に激励金や記念品の贈呈があった。県人会も賛助会、郷土芸能使節団、盛岡山車推進会の代表者を含めて、返礼に記念品を手渡した。
 県人会功労者表彰に続いて、父親のふるさと、花巻市で研修した〇三年県費留学生の阿倍アイレスさんは、涙に声を詰まらせながら、同制度に参加できたことを感謝、会場から惜しみない大きな拍手が送られた。
 式典後、来賓らによるケーキカット、岩手の銘酒「南部美人」の鏡割り、乾杯、懇親昼食会があった。午後には「憩の園」の入所者らを招待して、郷土芸能まつりを開催。IBC岩手放送の菊地幸見アナウンサーの司会で、工藤勲・盛岡山車推進会による音頭あげや岩手県人会太鼓「雷神」の演奏が披露された。

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