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東西南北

ニッケイ新聞 2008年6月19日付け

 日本に出稼ぎに行った人たちが、日本人は冷たいと批判するのも耳にするが、日本人・日系人はブラジル人より内向的で、閉鎖性のより強い日本ではその傾向が冷たいととられる、と語るのは三世の弁護士。日本人・日系人とブラジル人の両方を知っているからこそ理解できる側面も多い彼らだが、彼らが日伯の掛け橋となってくれることも、第二世紀を迎えた日系社会の大いなる期待であり、課題。
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 内向的で閉鎖的な日本人に対し、ブラジル人は外交的で開放的といえるのだろうが、ブラジル人のリズム感や創造性も長所の一つ。広告業界の世界三大イベントといわれるカンヌ広告祭などで認められたブラジル企業からは、自らの才能とイベントなどを通して開拓した人脈を用いて世界にはばたいていく人材も出ている。東欧や中近東を中心に、新しい広告作成にはブラジルから人材をとの声もあるらしい。
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 景気の牽引車でもあった自動車販売は、大気汚染や渋滞といった問題も引き起こしたが、サンパウロ市保健局は、二〇〇一年から二〇〇七年にかけ、サンパウロ市での殺人による死者は七一・一五%減少したが、交通事故での死者は九・六三%増加と発表。これにより、それぞれの死者数は一九二八人と一八四三人となり、一〇万人当たりの平均値ではともに一七人に。バイクの事故死一五五・五五%増加の数字が特に目を引く。
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 欧州連合(EU)のスペインや英国がブラジルからの旅行者の入国拒否という態度に出ていた問題で、アモリン外相が、「EUが移民の流入を阻止したいなら、農業補助政策を止めろ」と発言。アフリカ、ラ米諸国の旅行者を不当に扱っているとされるEU諸国だが、ブラジル人へのヴィザ発給問題は政策問題だという。

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