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「日本美術の名宝展―武士の美」=ブラジリアで開催、好評

ニッケイ新聞 2008年7月4日付け

 東京富士美術館(野口満成館長)所蔵の「日本美術の名宝展―武士の美」が、去る六月十八日午後、オスカー・ニーマイヤー氏が設計したブラジリアの国立美術館(ヴァグネル・バルジャ館長)で開催された。
 開会式には、ブラジリア連邦区ジョゼ・ロベルト・アフーダ知事をはじめ、シルベストレ・グルグーリョ同文化庁長官、池田博正東京富士美術館首席参事たちなど、約三百人が出席した。
 同展はルーラ大統領をはじめ、ブラジル政府、在ブラジル日本大使館などの要請に応え、移民百周年を記念して行われた公式記念事業の一環。
 東京富士美術館が所蔵する源平合戦図屏風、徳川家縁の兜、島津斉彬所要の大鎧などの「重要文化財」を含む絵画、工芸、武具甲冑、刀剣など百二十点を展示。武家社会が形成した日本の美を紹介している。
 式典では、テープカットに続いて、ヴァグネル館長がルーラ大統領のメッセージを代読。
 シルベストレ文化長官の挨拶に続いて、池田首席参事は、日本移民百周年の日に開幕できたことを喜び、関係者の労に心から感謝した。
 同展がブラジルで開催されるのは、サンパウロ(一九九〇年)、クリチーバ(二〇〇六年)に続いて三都市目。
 展示を鑑賞したアフーダ知事は「同展は、日本移民百周年を記念するに最も相応しい重要な行事の一つ。そして、ブラジル国民が日本文化や歴史に直に触れるまたとない機会。日本人は、この百年の間に、農業をはじめ、ブラジル経済に多大な貢献を果たされてきましたが、当展示会は、私が今、実感しているように、多くのブラジル市民にとっても、想像を超える素晴らしい美を感じるもの」と語った。

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