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日本語センター=デカセギの苦労減らしたい=第7回速成塾研修が修了

ニッケイ新聞 2008年8月6日付け

 ブラジル日本語センター(谷広海理事長)が主催する第七回速成塾研修の修了式が七月三十一日、同センターで行なわれた。
 同研修は、訪日就労ブラジル人向けの日本語教育を最短三カ月で行う「速成塾」の日本語教師を育成するのが目的。
 同センターにより昨年四月にスタートし七回目を迎えた今期は、ブラジル国内から集まった十四人が六日間の研修を終えた。これまでに計百十一人が修了証書を受け取った。
 参加者の一人、日本語教師三年目の宮田真由美セリアさん(38・アラサツーバ)は、日本に十五年住んでいたときに日系ブラジル人が多く働く会社に九年間勤め、主にブラジル人の世話を細々としていた。宮田さんは、「速成塾の内容は、市役所で必要な手続きやゴミ出しのルール、すぐ使えるような会話など、日本にいる時に実際にお世話していたことがコンパクトにまとまっている」と評価した。
 訪日したブラジル人が、言葉の壁が原因で様々な問題に直面している状況で、短期間のうちに多岐に渡る内容を教えなくてはならない教師側も不安と責任を感じているようだ。「三カ月で十分に教えられるか不安だったが、自信がついた」と川上由美ジャケリーネさん(44・バストス)は話した。
 閉会式で諸川有朋理事は、「デカセギの社会問題を解決する使命を担っているのだと自覚し、今後活躍してほしい」と激励の言葉を送った。
 閉会式に参加した人材派遣会社トーコーの池田シモネさんは、「以前から就労に行く前に日本語習得を求めていたが、具体的に勧められるものがなかった。速成塾はまさに今まで求めていたもの」と期待を表す。
 最近は、池田さんのように人材派遣会社からの研修見学者も増えてきたという。丹羽義和事務局長は、「当初の見込みよりも研修会参加者が少ないが、人材派遣会社の注目を集めつつあり、追い風にある」と語った。

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