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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2008年8月26日付け

 「一つの世界一つの夢」をスローガンにした北京五輪が幕を下ろした。競技場で熱戦が繰り広げられているときにウイグル独立派の警察官襲撃のテロもあり、中国の応援団にボランティアを動員するの不愉快もあったが、オリンピック大会が成功したのは喜ばしい。それにしても、中国は強い。金が51とアメリカを抜いての1位は凄い▼蛇足ながら―黄色人種がトップになったのも初のことだし、そのうちに黒人国家がスポーツ界のリーダーになる可能性も否定できない。北京の金メダル獲得数で見ると、中米ロ英となり独日伊仏の先進諸国が目立つが、21世紀が終わる頃には人口大国の中国とインドを始めケニアなどのアフリカ勢力が上位になるのではないか▼オリンピックには「参加することに意味がある」とされたものながら、やはり「勝つ」ことが大切なのも忘れまい。先進国が五輪で勝利の美酒に酔えるのも、経済的な繁栄の裏打ちがあり、選手らがトレーニングに打ち込めるからなのだ。国家の積極的な支援も必要だし、この点でも中国は人材の発見や訓練と見事なばかりの成功物語をなし遂げた▼これはかっての共産国家・ソ連や東欧諸国も同じであり、歴史に刻まれる名選手を送り出し喝采を浴びたものである。中国もこうした傾向が強く、金メダル51という大記録を打ち立て13億人の民は意気盛んである。だが、民主国家の下では、こうした国家を上げてのスポーツ支援は難しい。これも将来的には課題になるだろうし、北京五輪は開会式と閉会式の華やかさもだが、面白くも楽しい大会であったの思い出を心の奥底に留めたい。 (遯)

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