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東西南北

ニッケイ新聞 2008年8月28日付け

 六月に絵画盗難事件の起きたサンパウロ市ピナコテッカ駅美術館では、二十六日から盗難にあった四点の絵画の展示を再開。健全経営や、修復困難な文化財の保護や警備など、美術館や博物館の悩みの種は尽きないが、観光省と文化省では、一四年のワールド・カップを見越し、全国の七つの美術館や博物館の改築・改修工事に、二〇〇万レアルの支出を決めた。
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 最高裁が縁故採用禁止をうたっても、簡単には従えないのが政治家の世界。縁故採用できる人数枠を決めようと言い始める国会議員や、自分の関係者は解雇すると発言する議員など、反応は様々だが、大臣や局長クラスでの採用は枠外であることを利用して、親族を配置換えする政治家も。蛇の道はへびが知る?
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 インフレは多少落ち着いてきたようだが、インフレ高騰に伴い、購入品目や量の変更など、これまでの習慣を変えたという人は八割に上る。そんな動きを反映している一例は、路上生活者や失業者対策に開業されたはずの一レアルのレストラン。サンパウロ市のボン・プラットでは学生や自由業の客が増え、月一二〇〇レアルの月謝を払うために昼食代を節約している医学部学生やホワイト・カラー組までいる。
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 総長が辞表を提出した後のサンパウロ連邦大学では、二十六日、二十七日にかけ、副総長や四人の総長補佐も辞意を表明。二十七日に総長代理に選出されたマルコス・フェラース教授は、二十八日にも学生たちと会合を持ち、次の総長選出について話合う。総長代理の任期は六〇日で、新総長の選出はこの任期内に行なわれる。また、公金の不正使用に関しては、聖副総長や総長室主任らの責任が問われている。

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