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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2008年9月9日付け

 その昔の大昔―当麻ケハヤという大力の士がいた。剛力勇猛で相撲の技に長じ誇りにしていたそうだ。この話を耳にした垂仁天皇が、これを懲らしめるために出雲から野見スクネを招き、ケハヤと相撲を取らせたところが、蹴殺してしまったと古事記と日本書紀にあるそうだが、これほどに相撲の歴史は古い▼元々は「神事」の説もあるし、単なるスポーツではなく、もっと深い精神的なものを大切にする。土俵も土を積み上げただけのものではないし、ここにも神道的な祭祀が欠かせない。この神聖さがあるために国民から愛され親しまれてきたのであり、これに500年、1000年という歴史の裏打ちがあり今に続く伝統が息づいている▼大相撲は、こうした古くからの文化を象徴するものだし、仕来たりや作法もちょっと昔すぎる印象があるけれども、ここが大切なところだし、古めかしさが土俵の華でもある。そんな世界に大麻という不祥事が起きた。元幕内の若の鵬が逮捕され吸引器具も発見されている。当然ー相撲協会は解雇したのだが、十両と幕内を緊急検査したところ、前頭の露鵬と十両白露山の2力士が陽性だった▼この3人はロシアの出身であり、若の鵬は帰国するたびに大量に吸引したと自供している。露鵬と白露山の兄弟は「吸っていない」と否定しているが、相撲協会はこのスキャンダルをもっと重く捉えるべきだし、北の湖理事長が引責辞任という破天荒な事件になった▼大相撲には暴力や虐待に近い醜態が多い。力士と大麻も、こうした気の緩みの延長にあるのではないか。土俵を清くー。親方と関取らの猛省を求めたい。 (遯) 

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