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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2008年9月30日付け

 サプライズ。いやはやーまったくもってびっくりしました。あの自民党圧勝の「郵政選挙」や「刺客候補」などと小泉純一郎元首相には、世の中が仰天するようなことをいとも簡単に決めてしまう悪癖?がある。このたびの政界引退もまさに驚天動地の決断であり、政界は大騒ぎだけれども、ご本人は「引き際を大事にしたい」と淡々たるご挨拶である▼その昔ー「いれずみ大臣」と呼ばれた代議士がいる。背に「昇り龍」の華麗な刺青を彫り横須賀の港で人夫や大工、左官などの口入れで活躍した人である。横須賀の市長や衆院副議長もやり確か浜口雄幸内閣で逓信大臣となり、正2位勲1等に輝く政治家・小泉又次郎氏の孫が「自民党をぶっ壊す」と叫び派閥の悪弊を断ち切った純一郎氏なのだ▼ロックのプレスリーが大好きで親しいブッシュ大統領と一緒に記念館を訪問し「ハートブレイク・ホテル」だかを声高々と歌い「小泉人気」を蒼穹まで轟かせた政界屈指の「変わり者」でもある。それでも、政権担当が6年近くと佐藤栄作、吉田茂、中曽根康弘各内閣に次ぐのだから凄い。あの郵政民営化は、必ずや政治史を飾る▼只今、66歳。永田町の常識からすればまだ若い。尤も、衆議は引退するが、政治活動は続ける。次の世代を担う若い政治家を育てたいそうだが、政策論や政治思想もだが、小泉流の「引き際を」だけは、必ず教え肌に染み込ませてもらいたい。勿論、後継者に指名した次男の進次郎氏(27)を一日も速く、世界のトップと堂々と渉り合えるような政治家に厳しくも楽しく育てるようにとお願いしたい。 (遯)

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