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ニッケイ新聞 2008年10月07日付け

 昔から楽器が好きだったと話す海藤三味線教室代表は、十五年前に初めて三味線を弾きはじめ、その後普及促進に奔走してきた。ブラジルでは特に高値なため手が出し辛かった三味線を、もっと身近なものにしたい―と自作のブラジル製三味線の販売を始めたのは三年前。一年に二十棹以上制作したこともあったとか。しかし、現在は日本経由で中国産の比較的安価で良品質の三味線が手に入るようになり、製作はしていないそう。
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 日本航空(JAL)は二日に百周年と日伯間定期便就航三十周年を記念して遊覧飛行を行った。最年長として搭乗した上田幸音さん(92、高知)は記念に短歌を三句ー。「日航の遊覧飛行に招かれて吾が四世代永久(とは)に忘れじ」「日航とブラジルの交流末永く続くを念じ栄えあれかし」「日航の厚きもてなし身に受けて遊覧飛行永久(とは)に忘れじ」と、搭乗の思いを込めていた。
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 先月二十八日、日本移民百周年を記念して、神奈川県横浜市鶴見駅前で「TURUMIブラジルデー」が開かれた。鶴見といえば、中国、台湾系に加え、沖縄の人や日系ブラジル人が多く住むエスニック色濃い地区。大学生時代、同区の学校でデカセギ子弟らの勉強をサポートするボランティア経験のある記者にとっては思い出深い土地だ。駅から歩けば沖縄料理とブラジル料理を楽しめる店を見かける。日本に旅行される方は、一度訪ねてみると面白いかも。
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 国外就労者情報援護センター(CIATE)の佐倉輝彦専務理事によると、同センターに相談に来る年金受給者は、人によって色々だが、二カ月に一回、日本円で一万五、六千円程度の年金をもらっている人が目立つという。レアルで言えば、二百四十~五十レアル近い金額。わずか数年しか日本で年金加入していなくても、老後にこれだけの金額が毎月もらえれば、生活費の足し以外にも、いい小遣いになるとの声も。

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