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「ニッポン・フェスチ」に3万人=ツッパン=4回目、文協結束にも効果大=河崎会長「継続して実施したい」

ニッケイ新聞 2008年10月8日付け

 【ツッパン発】パウリスタ線ツッパン市で第四回目となる「ニッポン・フェスチ」が九月二十六、七、八の三日間、同市中心部の「プラッサ・ダ・バンデイラ」で催され、バストス、ドラセーナ、オズワルド・クルスなど近隣都市からも約三万人(主催者発表)が訪れ、日本文化を楽しんだ。同沿線都市の日系イベントでは、バストスの「卵祭り」、マリリアの「ジャパン・フェスチ」に次ぐ規模だという。主催団体であるツッパン文化体育協会(ACERT)の河崎ロベルト会長は、ハッピ姿でテキパキと指示を与えながら、「年々盛り上がってきている。これからも続けて行っていきたい」と笑顔を見せた。
 会場となった「プラッサ・ダ・バンデイラ」はその名の通り、上空から見るとブラジル国旗を模しており、町の基点となるマトリス・デ・サンペドロ教会が建つ緑の多い市民の憩いの場所。
 公園全体につるされた提灯と、組まれた櫓が祭りの雰囲気を醸し出す。
 入り口の事務所内に展示された日本の写真が来場者たちの関心を集め、日系団体もそれぞれバンカを出していた。
 同市の日系幼稚園「ひかり幼稚園」はぬり絵などを来場する子供たちに教えた。教師の吉川ラウラさん(60、三世)は、「自然に覚えるように子供たちは、日本語で接しています。関心を持ってくれるのが嬉しい」と話す。
 約五十人ほどの生徒を抱える「ツッパン日本語学校」は、折り紙や書道などのワークショップを行った。昨年まで鹿児島県研修生として、ピラール・ド・スールで日本語を教えていたJICA青年ボランティアの帖佐香織さん(28、鹿児島)によれば、「漫画などで日本語を始める子供が多い」という。
 最終日の夜には、「一心太鼓」(ロンドリーナ)、「響和太鼓」(マリリア)と地元「雷和太鼓」の競演が行われ、会場は大いに盛り上がった。歌手伊藤カレンさんのショーや来場者も参加しての盆踊りも行われ、多くの人で賑わった。
 田中マリオ同文協名誉会長(74、二世)は、「運営費をコロニアのなかだけで寄付に頼るのはもう難しいと判断した」と同フェスチの開催の理由を説明しながら、「文協内の結束も強まった」と喜ぶ。
 二十七日には第三十回「県連ふるさと巡り」の一行も訪れ、チラピアの刺身やうどんに舌鼓を打っていた。

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