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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2008年10月11日付け

 いやー驚きました。南部、小林、益川の3氏にノーベル物理学賞を授与すると決まったのです。2002年に物理の小柴昌俊氏と田中耕一氏が化学賞を受けたときには、時の首相・小泉純一郎さんが大喜びし、ご両人に電話し祝辞を述べ話題になったけれども、麻生太郎首相も受話器を取ってお祝いを述べるなど大騒ぎである。なにしろ3人が世界の名誉に輝いたのだから麻生太郎さんもニコニコである▼と、ここで止まってはいけない。翌8日には下村脩・米ボストン大学名誉教授に化学賞が決まった。まさかーこんなに日本人がノーベル賞を手にするとは、これはもうびっくり仰天である。麻生首相は激務のなか国際電話で「おめでとう」と連発してそうだし、今年の4人を含め日本の受賞者はあの湯川秀樹氏から16人になる▼それにしても、ノーベル賞は白人が優先されるの批判があったようにアジアや黒人の受賞者は極めて少ない。この名誉ある賞は1901年に始まったものだが、受賞者はアメリカがトップで英仏など欧米勢が圧倒的である。第1回のときは、医学の北里柴三郎博士が有望視されたけれども、黄色人種を蔑視する気風が強く受賞できなかったの説もある▼そんな噂や風聞を吹き飛ばすような快挙だし、これからはアジアやアフリカにももっと目が向けられると信じたい。日本にも文学では海外でも人気の高い村上春樹がいる。イギリスでの村上作品は好評であり、昨年も今年も有力な候補者になっているし、あるいは夢の実現も近いの希望的な観測も強いしーと、なんとも日本は晴れがましい。 (遯)

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