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「ちりとてちん」草々役=青木崇高さん落語口演=コロニアでも大人気=宮城県人会

ニッケイ新聞 2008年10月29日付け

 NHK連続テレビ小説「ちりとてちん」のB子こと清美の夫、徒然亭草々役でコロニアでも知られる青木崇高さん(28、大阪)が、プライベートの南米一人旅で来伯し、宮城県人会などで計五回、落語「道具屋」を披露。ブラジル風にアレンジもしてコロニアに笑いを届けた。本業は俳優だが「ちりとてちん」がきっかけで、日本で十回ほど落語をしたという青木さん。落語の反応がとても良かったと喜び、いろんな人と交わり充実した約二十日間の滞伯を終えて十六日帰国の途についた。
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 十日に宮城県人会館で行われた落語会には、老人から子供まで約百七十人が集まり、中には仕事を抜けて来たという観客もいたほど。午後二時から、最終話までの「ちりとてちん」四回分を上映後、草々兄さんこと青木さんが姿を現した。
 大きな拍手と黄色い声援が送られ、「ムイント・プラゼール」と元気溢れる様子で登場した青木さん。枕から笑わせて観客の心を掴むと、噺では、古道具屋を舞台に間抜けな与太郎と叔父さん、客のやり取りを面白可笑しく軽快に話し、観客を引き込んでいった。
 プロの役者と納得させるような演技力で表情豊かに三役を噺分け、約二十五分間の落語会は、終始笑い声に包まれていた。
 中沢宏一・宮城県人会会長のお礼のあいさつ後、質問の時間が設けられ、草々兄さんのトレードマークの〃つんつるてん〃の衣装や髪型、ドラマ撮影の舞台裏などにも質問が及び盛り上がった。落語家という特殊な役に抜擢され、撮影前はとにかく寄席に足を運び、「街を歩きながらブツブツ言って、危ない奴と思われてたかも」と、苦労話にも触れた。
 終了後は、写真を一緒に撮ってもらおうと長蛇の列ができ、そのうちの一人、娘さんと一緒に来場した相沢弘二さん(90、宮城)は、「(ドラマの舞台の一つ)福井は姉が住んでいて何度も訪れたから特別な思い入れがあって毎晩見ていた」と振り返り、「草々兄さん、上手でびっくりしました」と感心していた。また、中年女性らに「(ドラマ出演者の中で)一番かっこよかったわよ」と声をかけられる人気振り。大盛況のうちに宮城県人会での落語会を終了した。

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