ホーム | 日系社会ニュース | アマゾン=日本企業が金採掘事業へ=環境に配慮し工場建設

アマゾン=日本企業が金採掘事業へ=環境に配慮し工場建設

ニッケイ新聞 2008年10月30日付け

 FIVE・STAR社(恒川久男代表取締役)=本社・東京都=はアマゾナス州マウエス市に一万ヘクタールの土地を取得し、環境に考慮した金採掘事業を来年から開始すると発表した。初期投資額は約十億円で、すでに採掘が行われている鉱区の土地や採掘権を購入、インフラ整備や工場建設を行う。
 「私も実際に金を手掘りしました。ボコボコと塊がでてきて、思いのほか簡単で驚き、これならいけると決断しました」
 十四日に初来伯した恒川社長(36、愛知県出身)は現地を視察した感想を、そう述べた。昨年はアフリカのリベリア、モンゴルを視察したが、未掘状態で投資に至らなかった。
 「環境に配慮した鉱山開発をするため、日本から技師を呼んで工場を作ります」。従来の水銀方式では環境汚染の心配があった。工場が稼動すれば一日百トンの土を堀る能力がある。
 カナダの上場資源会社ゴールデンスターリソース社が二〇〇〇年に現地調査をし、現在の鉱区一・六ヘクタールだけで二十三トンの金が埋蔵されていると推定。一トンあたり平均八十グラムの埋蔵量があるとされる。
 「一万ヘクタールの地区全体では六十トンはくだらないと鉱山動力省の方が言っていました」と恒川社長は補足する。市場価格では二百億円にもなる量だ。
 「初期投資分は算段済みだが、必要に応じて日本で投資を募る」という。採掘された金をブラジルで販売し、売上を再投資に充てる計画だという。
 現地の管理会社としてAmambras社と契約も結んだ。年内にブラジル支社の登記手続きを終了させ、来年三月には工場を稼動させる予定。恒川社長は二十四日に帰路についた。

image_print