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日伯の融合表す灯篭流し=レジストロ=百周年記念でより盛大に=2千基がリベイラ川照らす=来場者は2万人以上

ニッケイ新聞 2008年11月5日付け

 水郷の里レジストロの「第五十四回灯篭流し」(山村敏明実行委員長)が今月一、二の両日に開催され、二万人を超える来場者(主催者発表)で賑わった。レジストロ文協、市と日蓮宗恵明寺、レジストロ・ベースボール・クラブの共催。色とりどりの灯篭二千基がリベイラ川を幻想的に彩った。盆踊りやマツリダンスなども盛り上がり、二日午後十時ごろに打ち上げられた花火を見上げる人々で川岸は埋め尽くされた。
 二日午後からは第三回となる奉納相撲が行われ、地元を始め、州内各地からの参加者が熱戦を繰り広げた。豆力士らの奮闘にも歓声と拍手が送られた。
 豪雨が止んだ同日午後七時、リベイラ川沿岸にある水難犠牲者追悼碑前で執り行われた「世界平和祈願並びに先没者慰霊」の法要には、約二百人が出席した。
 レジストロ市ブラジル日本移民百周年記念実行委員会の那須野英男委員長はあいさつで灯篭流しの由来などを話し、「日伯融合の祭りとして今後も続けていきたい」と語った。
 日蓮宗身延山恵明寺の僧侶らの導師により、読経が行われるなか、出席者らは線香を手向け、犠牲者の冥福を祈った。
 慰霊法要に続いて午後八時過ぎから灯篭流しが行なわれた。色とりどりの灯篭二千基が下流に向けてゆっくりと流れ、川面を照らした。
 初めて訪れたという谷崎富美枝さん(80、熊本)は、「日本ではよく見ていた。懐かしい」と嬉しそう。
 「主人が亡くなって五年目なので」と、島田クニコさん(89、熊本)は夫・実さんの冥福を祈っていた。
 会場では、名物マンジューバの刺身やうどん、沖縄ソバが販売され、長蛇の列ができた。 中央に組まれた櫓では、様々なアトラクションが行われ、餅撒きも大人気。盆踊りやマツリダンスには、多くの来場者が参加、笑顔で溢れた。
 山村実行委員長は、「今年初めて櫓の上に大テントを張った。多くの人が来てくれてよかった」と百周年の年の大成功を喜んでいた。

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