日本の省エネ技術をブラジルに――。月刊環境産業雑誌「Revista Meio Ambiente Industrial」などが主催する「第十回ブラジル国際環境産業見本市(FIMAI)」が、十二日から十四日までサンパウロ市のエスポ・センテル・ノルテ・パビリョン・アズールで開催された。同見本市には、十二カ国約四百社が出展。JETROは日本パビリオン(十三企業・一機関)を出展し、三日間とも多くの人が訪れた。同パビリオンを担当した兵藤栄寿理事は「省エネのノウハウを伝え、啓蒙活動をしていく。今回は色々な人に見てもらい、認識をもってもらう意味で良かったと思う」と満足した様子で話した。
同見本市に日本パビリオンが出展するのは、昨年に続いて二度目。JETRO(日本貿易振興機構)が財団法人省エネルギーセンターから委託されて出展している。昨年はパンフレット展示だけだったが、今年は省エネ機器が展示された。
十三日午後十二時半から同パビリオンのイナウグラソンが行われた。最初にJETROサンパウロの佐々木光所長が参加企業に感謝を述べながら「ブラジルも徐々に省エネに対する意識が芽生え始めた。今後も積極的に参加していきたい」とあいさつ。
続いて省エネルギーセンター国際協力本部・縫部綴本部長が同センターについて説明した後、「省エネルギー機器、製品がブラジルにいきわたるようになってほしい」と願いを込め、乾杯の音頭を取った。
同パビリオンには島津製作所、住友重工、川崎重工、三菱UFJ証券、京セラ・ソーラー・ド・ブラジル、日立グループ、マエカワ・ド・ブラジルなど日本企業十三社、一機関が出展した。
日立グループはエアコンや空気清浄機、テレビなど、京セラはエネルギーソーラーや電機モーターなどの実物を展示。その他、各企業のパネル展示などが行われた。
川崎重工業はガスタービンを日本から運んできて、ブラジルで初展示。カワサキ・ド・ブラジルの沢里嘉男副社長によると、初日には約百六十人が足を運んだという。「ブラジルは色々なところで発電が行われている。省エネで発電できるこのガスタービンをブラジルでも取り入れてもらえれば」と積極的に来場者に説明していた。
日本から参加した光明理化学工業株式会社の池田和彦輸出G部長は「ブラジルで製品紹介を行いたくて参加した」と話す。同社はガスの測定器などを作っており、日本で使用されているアルコール計測器は一〇〇%同社のもの。「果物の熟成を早めたりするために南米でも徐々に使用されてきている。ブラジルでも広がっていけば」と語っていた。
省エネセンター・縫部本部長=講演で日本の取組み紹介
JETROに事業を委託して「第十回ブラジル国際環境産業見本市(FIMAI)」に日本パビリオンを出展した財団法人省エネルギーセンター。
日本国内のみに拠点を持つ同センターは、政府間の取り決めにより各国への人材派遣、相手国の人材受け入れ・育成を行っている。昨年からは中国やインドに多くの人を派遣している。
今回は日本から四人の関係者が来伯。十二日には国際協力本部の縫部綴本部長が見本市会場で講演を行った。
日本でどのように省エネを推進しているか、また、工場ビルや業務などの省エネ方法に関する具体的な例などを紹介した。
「ブラジルはエネルギーの多い国だからなかなか省エネに取り組んでいない。今回の講演や展示で省エネビジネスが進んでいけば」と期待を込めた。