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クリチーバ総領事館=青果物貯蔵庫整備計画に=約5万ドルの草の根資金

ニッケイ新聞 2008年11月18日付け

 在クリチーバ日本国総領事館はサントアントニオ・ド・パライーゾ青果生産者組合(パラナ州サントアントニオ・ド・パライーゾ市)の「農業生産性向上のための青果物貯蔵庫整備計画」に対して草の根・人間の安全保障無償資金協力を締結し、十月三十一日午後三時から同領事館で署名式を行った。
 署名式には佐藤宗一総領事、シルヴィオ・シゲユキ・ナカムラ同組合長、オスカル・デ・カマルゴ・フィーリョ農業従事者協同組合長、リヴァウド・ジェミン・パラナ州農業連盟理事など関係者が出席した。
 今回の贈与額は四万九千七百六十九ドル。ニンニクをはじめとする青果物の春化処理(低温処理による開花促進法)用の冷蔵貯蔵庫の購入費用にあてられる。
 同組合が活動する地域は州内最大のニンニク産地であるが、生産性を上げるために効果的な冷蔵貯蔵庫を自前で保有していないためにコスト削減が進まず、価格競争力を高めることができないという問題に直面してきた。
 冷蔵貯蔵庫の購入によよる生産性向上にともない、組合による青果生産量の増大、さらには雇用の創出にも裨益するものと期待されている。
 佐藤総領事は九九年からブラジル内で行なわれている草の根無償資金協力の歴史に触れ、「今回の援助がコスト削減を通じて組合の生産性向上をもたらし、ひいては生産面積の拡大、雇用の更なる創出につながることを期待する」とあいさつした。
 ナカムラ組合長は日本政府、日本国民に対して資金供与への感謝を表すとともに、「自前の冷蔵貯蔵庫を持つことでニンニクその他青果物の生産コストが下がり、組合が受ける恩恵は計り知れないものがある。今年は日本人のブラジル移住百周年であり、日本政府による今回の援助は地元の日系人農家にとり記念すべき出来事であるとともに大きな励みにもなる」と述べた。

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