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舞楽法会サンパウロ市公演=世界最古のオーケストラ=首都、BH、リオでも

ニッケイ新聞 2008年11月29日付け

 「曼荼羅舞楽法会―世界環境保全・日伯平和祈願公演」が文協大講堂で二十七日夜行われ、約四百人の来場者が日本古来の伝統文化に触れた。
 日伯交流年・ブラジル日本移民百周年を記念した日本国文化庁助成金事業。創造する伝統二〇〇五実行委員会(東京、木戸敏郎委員長)が主催。
 会場の入り口となる大サロンには、最新デジタル最高精細プリント技術を使った「デジタルカルチャー日本展」を開催。
 浮世絵などの巨大タペストリーが、最新印刷技術作品となって展示され、来場者らは関心深そうに見入っていた。
 同委員会の事務局長で本公演のコーディネーター役を務める野原耕二さんはあいさつで、「舞楽法会は、千三百年の歴史を持つ世界最古のオーケストラ。雅楽と舞楽、仏教法会の声明による総合舞台芸術」と位置付け、舞台奥に飾られた曼荼羅絵や演目について解説。「百周年を記念して公演できることを嬉しく思う」と語った。
 雅楽は、宮内庁式部職を中心とした東京楽所(がくそ)、声明は天台声明と真言宗法響会がつとめた。黄金の面をつけ踊る『陵王』、二匹の龍が舞う『納曹利(なそり)』が観客を圧倒、万雷の拍手が送られた。
 上野春さん(75、福岡)は、「こんな神秘的な音を聞くのは初めて。心の悪いものが取れたよう」と感想を話し、レナタ・ブザットさん(47)は、「衣装が素晴らしく美しかった」と笑顔を見せていた。
 サンパウロ公演は、二十八日にMASPでも行われ、SESCサンタナで二十九日に開催される。ブラジリアは十二月二日(Teatro FUNARET)、ベロ・オリゾンテは四日(Auditorio do Ouro Minas Palace Hotel)、リオは五日(Sala Cecilia Meireles)。
 問い合わせは、国際交流基金(電話=11・3241・0110)まで。

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