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■ひとマチ点描■亡父の志継ぐ娘たち

ニッケイ新聞 2008年12月4日付け

 サンパウロ靖国講は1954年に松原卯之助さんや渋谷信吾さんら10人の発起人により結成され、松原さんの息子、寿一さんが長い間、講元を務めてきた。04年に50周年を祝ったが翌年に寿一さんが亡くなり、以来、停止状態だった。
 昨年、娘の浜口イネスはるみさん(左)が靖国神社を訪ねたところ、「ぜひ続けて」といわれ、英霊奉祭会として再出発した。親子3代で日本との絆を支える。
 停止していた間、ブラジル唯一だったのがプロミッソン靖国講だ。11月11日に同講の代表をしていた父・西国吉晴さんが83歳で急逝した。娘の中場マサ子さん(右)に継がないかと要請があったが、「私には無理」と一端は断った。
 「でも、次の朝なぜか胸が苦しくなり、涙が出て仕方なくなりました。父が続けてくれといっているんだと思い、承諾しました」。プロミッソン文化体育協会(安永ルイス会長)の一組織だ。
 「義理や付き合いではなく、本当に靖国のことを想いつづけてほしい」。中場さんは唇を引き締めた。(深)

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