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第2回文協統合フォーラム(上) 「新たな百年の構築」テーマに=全伯14地域代表が意見交わす

ニッケイ新聞 2008年12月11日付け

 第二回文協統合フォーラム(Forum de Integracao Bunkyo)が六、七両日、サンパウロ市のブラジル日本文化協会ビルで開催され、全伯各地の日系団体代表者が集った。今年のテーマは「新たな百年の構築」。有識者による講演や、各地の代表者による分科会など様々なプログラムを通して、団体間の連携強化、日系団体の将来像について意見を交わした。
 文協とCAMPOグループが共催し、レアル銀行が後援。サンパウロ市、スザノ、モジ、バーレ・ド・パライーバ、カンピーナス、汎ソロカバナ、リベイラなどサンパウロ州内、リオ、北パラナ、ミナス、カンポ・グランデ、ドウラードス、中西部、パラー、アマゾナスから日系団体代表が出席し、島内憲大使、飯星ワルテル、ウィリアン・ウー両連議らが来賓として訪れた。
 初日午前八時半から開会式。上原幸啓文協会長は日本移民の教育への熱意に触れ、その教育を受けた子弟たちが各地の代表としてこのフォーラムに出席していると話した。そして倫理や道徳、尊敬といった先人が残した遺産を挙げるとともに、「移民二百周年を祝うのはあなたたちの子孫です」と述べ、二日間の議論に期待を表した。
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 午前中は島内大使、パネリストらによる講演。
 「日伯関係の展望」をテーマに講演した島内大使は皇太子さまのご来伯、全伯で記念イベントが行なわれた一年を振り返り、今年を「新たな日伯関係の始まり」と位置付け。両国の「持続的な協力関係」の特徴として、それぞれ南米・アジア市場への入口として相互に補完する関係にあること、自動車や飛行機、デジタルTVなど産業面での関係を挙げ、さらに両国の日系コミュニティが日伯交流に果たす役割にも言及した。
 農業での貢献にはじまり、戦後の国家プロジェクト、近年のデジタルTV日本方式採用などを紹介し、サンパウロ市・リオ間高速鉄道への新幹線方式売り込み、バイオ燃料分野などに期待を表した。
 また日本食や、漫画など現代日本文化の広まりにも言及し、その担い手として若者が果たす役割を強調して講演を締めくくった。
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 続くパネル講演にはジャーナリストのジョルジ・オクバロ氏、USP歴史学教授のパウロ・セーザル・ガルセス・マリンス氏、原田フェリシアあやこ弁護士が出席。
 「最初の百年の遺産」をテーマとしたオクバロ氏は、農業の先駆者として先人が子孫に伝えた日本的特質、忍耐、決断力といった価値観を挙げ、さらに日本食やポップ文化など様々な分野でブラジル社会に貢献してきたと述べた。
 オクバロ氏は日本移民のブラジル社会への統合の過程に触れながら、今後民族間の結婚が進んでいけば日系としてのアイデンティティは稀薄になると指摘。「私たちを結び付けるものは何か」と問題を提起し、将来に向けた方向性として、文化の維持と普及、ポルトガル語での文学作品の必要性、他の民族コミュニティのような教育機関の創設、そして政界への進出といった点を挙げた。
 マリンス教授は、資料館や歴史的建築物といった物質的な面での先人の遺産を伝えることをテーマに講演。
 特に歴史的建築物については、「新天地へいかに適応してきたかの証し」と位置付け。日本の技術や様式がどのようにブラジル社会に同化してきたか、またブラジルの多様性を表すものであるとして、保存の必要性を強調した。
 連邦の歴史的建造物に指定されているモジ市のカザロン・ド・シャー、州の指定を受けたアルバレス・マシャード日本人墓地、レジストロのKKKKなどの例を挙げながら、保存と同時に新たな活用方法を探る事も必要と話した。
 最後に講演した原田弁護士のテーマは、文協のような、いわゆる非営利の民間団体について。
 政府でも企業でもない第三セクター(Terceira Setor)としての民間団体について、その特徴や構造などを説明。ルアネー法などの免税制度を使った資金集めや支援者・ボランティア獲得のためのコミュニケーションの大切さ、一般社会と良い関係を築く事が必要といった点について話した。

写真=参加者による記念撮影

統合フォーラム=文協ネットに参加を=小林ビットル氏呼びかけ

 講演終了後は休憩を挟んで小講堂に移動。上原文協会長(百周年について)、森和弘・汎スザノ農事文化体育協会長(スザノ日伯学園)、山下譲二文協副会長(第一回フォーラムの結論と連絡委員会)、小林ビットル・パウロ小林インスティツート代表(文協ネット)、栗田クラウジオ氏(青年の活動)が、それぞれ十分ずつ話した。
 インターネットを利用して全伯の日系団体を結び、それぞれの情報を交換・共有する文協ネット(www.bunkyo.org.br)。小林氏は文協ネットを利用することで、情報をより早く全伯に伝えられ、連絡にかかる費用も低減されるなどのメリットを挙げた。
 同ネットを通じて各団体のホームページを結び、活動やイベントの開催ノウハウの情報を共有することや、各団体のニュースなどを他の団体に広報することも可能になる。小林氏は「文協ネットは全伯、さらには日本まで統合する存在」とその重要性を強調し、参加を呼びかけた。
 昼食後は文協ネットについてのワークショップも行なわれ、その後各団体代表、婦人、青年、事務局に分かれて分科会が行なわれた。(つづく)

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