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■ひとマチ点描■渡伯13年、蘭一筋

ニッケイ新聞 2008年12月13日付け

 今回サンパウロ蘭協会の蘭展に初出店した岡部賢治さん(39、熊本県)=写真=は来伯13年の若手。日系女性にほれ込んで、彼女の実家の蘭栽培を継ぐことを決心。「以前はまったく別の仕事をしていました」と笑う。二年ほど福岡で農事研修してから渡伯した。
 サンパウロ州カンポス・ド・ジョルドン市近くのサントアントニオ・ド・ピニャール市レノーポリス区にある蘭園で試行錯誤を続けている。
 先ごろ、エスタード紙の農業ページで紹介された。「あれから、みんなにひやかされて」と恥ずかしそうに頭をかく。研究の成果は徐々に現れているようだ。ポ語も達者で、ブラジル人とのコミュニケーションを大事にする。
 実は同地、1930年代にニンジン景気で湧き、最盛期には50家族以上住んでいた古参移住地だ。15年ほど前まで温帯果実の産地〃桃の郷〃としても知られていた。今では世帯も20家族以下に減り、「9割は蘭栽培に従事している」という。
 日本人会会長は片山茂さん。〃蘭の郷〃に生まれ変わった同地では、来年迎える80周年の準備を始めている。(深)

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