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いよいよアマゾン入植80周年へ=ベレン=来年1月に実行委が始動=9月に式典と日本週間=南伯地域との連携も

ニッケイ新聞 2008年12月20日付け

 来年二〇〇九年はアマゾン入植八十周年。節目の祝典に向け、地元では着実に準備を進めている。東の中心都市パラー州ベレンでは、十月に発足した準備委員会(須藤忠志委員長)が来年一月から実行委員会に移行。九月の式典を中心に、記念行事・事業の概要が固まりつつある。今月六、七日にサンパウロ市で開かれた文協統合フォーラムに参加するため来聖した生田勇治・汎アマゾニア日伯協会会長代行、堤剛太事務局長(準備委総括)、伊藤真美事務局次長に話を聞いた。
 アマゾン入植八十周年記念式典は九月十六日のトメアスーを皮切りに、十八日にベレン、二十日にマナウスで順次開催される。
 ベレンでの記念行事は、九千平方メートルの広さを持つ市内のコンベンション・センター「HANGAR」を中心に実施される。
 三月十四日には、同日伯協会傘下の二十団体にマラニョン、ピアウイ、アマパーなどの地域を加えたミス日系コンテストを実施。
 九月には、ベレンでの記念式典にあわせ、十六日から十八日まで日本週間が開催される。農産展なども含めた日本文化紹介を行なう考えという。
 そのほかにも、パラー州農業連盟との共催による懸賞論文、モニュメント設置や、芸能団体の招聘なども企画。また、記念切手の発行や、州内大学による記念イベントなども検討されている。トメアスー移住地の資料館を州のてこ入れで改修する計画もあるという。
 来年一月の実行委員会発足後から、日本への呼びかけを始める予定。皇室のご訪問にも期待を表す。ベレンにはこれまで、七八年(皇太子殿下ご夫妻、当時)、八二年(浩宮徳仁親王殿下、当時)、八八年(礼宮文仁親王殿下、当時)、九七年(天皇皇后両陛下)の四度、皇室のご訪問がある。
 そのほかにも、南伯など他の地域にも関心をもってもらおうと、アマゾン紹介展などを開催する考えもあるという。
 同地では今年、市議会(三月)、州議会(五月)、州政府(九月)など、行政側が主体となって移民百周年の記念行事を実施。九月のアマゾニア祭りには一万五千人が訪れた。
 アナ・ジュリア・デ・ヴァスコンセーロス・カレパ州知事は「八十周年はもっと盛大に」と意欲を見せているそうだ。
 「多くのイベントを通して日系社会に対するブラジル社会の見方が変わったと思う」と今年を振り返る生田会長代行。日本食や野菜などのブラジル社会への浸透、古くはジュートやピメンタ、現在ではフルーツなど農業への貢献を挙げ、「一世から三世まで乗り越えてきた苦労があって現在の評価がある」と話す。
 パラー州内の日系人口は三万人、ベレン市内では三千五百人ほど。日系社会の規模として大きくはない。そうした事情も含めて、生田会長代行らは「日系だけでなく、ブラジル社会にも向けた祭典にしたい」と抱負を語った。

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