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176万レアルが未払い=百周年協会・中間会計報告=滞るサンパウロ市役所の支援金=中矢OSCIP理事長「どうしたらいいか…」

ニッケイ新聞 2008年12月23日付け

 百七六万九〇〇〇レアルの未払い金――。ブラジル日本百周年協会の資金集め免税団体(OSCIP)「日伯社会文化統合機関(以下オシッピ、中矢レナット理事長)は、式祭典・日本文化週間などの会計に関して二十二日午前、記者会見を開いた。式祭典(約二九七万八〇〇〇レアル)、日本週間(二六四万八〇〇〇レアル)の計五二六万六〇〇〇レアルを計上したが、両事業に関わった五三企業に百七六万九〇〇〇レアルの未払いがあることを発表。一方で百周年協会の方の口座には残金があり、サンパウロ市役所から入金が予定されている支援金一二〇万レアルで相殺できるとしながらも、「交渉は続けているのだが、入金がいつになるか分からない状態」と頭を痛めている。
 中矢理事長は会計中間報告が年末まで遅れた理由を、「日本週間の支出が確定するのが十月までずれ込んだ」ことと「あるべき入金を待っていた」点を挙げた。
 先月、飯星ワルテル連邦議員の議員割り当て金から三七万五〇〇〇レアル(観光省)の入金が百周年協会の方の口座に行われ、IPCの約四六万ドルも海外日系人協会の口座に入金されたことから、「最終的には黒字になる」との見方を示す。
 問題は、サンパウロ市役所からの百二〇万レアルの支援金だ。すでに入金を見込んで会計処理をしており、「七月には振り込まれると思っていた」。
 これは、羽藤ジョージ、野村アウレリオ(当時)、神谷牛太郎、アントニオ・ゴラールの四サンパウロ市議が議員割り当て金を各三十万ずつ、予算に組み込んだものだが、二十二日現在、入金が済んでおらず、支払いが滞っている状態だ。
 「何の問題があるのかすら分からない」と話す中矢理事長は、今月十八日に羽藤、ゴラール両市議と面談、近日中にはジルベルト・カサビ市長に直接交渉に当たる予定だという。
 なお、中矢理事長は、今年一年の周年事業全体で約一千万余レアルを処理したと話した。寄付金の概要としては日本進出企業が約一五〇万レアル、日系宗教団体が約一〇〇万レアル、ブラジル官民企業が約八〇〇万レアル(うち約半分がブラデスコ銀行)で、全体の八割近くがブラジル側であったことを明らかにした。
 結局、日本政府からもまとまったものはなく、中矢理事長は「もっと日本側から協力があると期待していた」と残念そうに語った。
 一月中にはルアネ―法分の収支報告を終わらせ、監査法人の作業は二月半ばには終わる。その後、正式に会計報告する予定だという。
 最後に上原幸啓百周年協会理事長は、全ての清算が終わった段階で、「できれば二月頃に閉幕イベントをしたい」と語った。松尾治執行委員長も「会計報告が遅れたのをお詫びしたい」と語りつつ、「式典そのものはうまくいった」と振り返り、将来の世代に残すものになるはずだった日伯統合センター建設ができなかったことを残念だったと総括した。

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