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デカセギ危機=沖縄県系人も職探し懸命=本土で失業 沖縄へ相談=言葉の壁がネックに

ニッケイ新聞 2009年1月8日付け

 【沖縄タイムス】雇用環境が厳しさを増す中、中南米を中心とする県系人から、職探しや移住に関する問い合わせが関係団体に相次いでいる。県系三世や四世が多い東海地方では、保護者の失業により、通学できなくなった子どもが増え、外国人学校の生徒が激減。関係者らは「民間だけでは対応できない」とし、自治体などの支援を求めている。(奥村敦子、嘉数浩二)
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 「沖縄に行きたいが、仕事はありますか」。沖縄ブラジル友好協会には十月中旬以降、愛知や群馬、神奈川など本土で職を失った県系ブラジル人らからの相談が相次ぐようになった。
 「直接電話を受けただけでも八、九件。知り合いなどを通した相談を含めると二十件を超える」と安谷屋隼裕事務局長。目立つのは二、三十代の独身の男性だ。「ウチナーンチュ同士なので助けたいが、簡単に『おいで』とは言えない」。ネックとなるのは言葉の壁だ。
 県外の工場で働く日系人の大半は、集団で来日し、流れ作業で働く。職場でも寮に戻っても母国語だけで通じるため、日本語の読み書きができない人が多いという。相談に対し、日本語ができるかどうかを尋ね、「日本語が通じないと、沖縄で仕事に就くのは難しい」と説明している。
 「手助けはしたいが、ボランティアでできることには限界がある」と対応に苦慮。今後も相談の増加が見込まれるため「県も支援に動いてほしい」と求めた。
 中南米の県系人が多い東海地方。現地で外国人の支援活動を行う愛知淑徳大学講師の小島祥美さんは「日系人を中心とする外国人コミュニティーは崩壊寸前」と危機感を強める。中でも県系三世、四世とみられる労働者や子どもの割合は「かなり高い」という。
 「派遣切り」や「雇い止め」で職と住居を失い、ホームレスやアパートの一室に集団で暮らす人が増加。教育費が払えないため、ブラジル人学校の生徒は半減し、閉鎖した学校も。帰国者も多いが、経済的に厳しい人ほど行き場がなく「未就学」の子どもが急増している。
 十三人に一人が外国人の岐阜県可児市で昨年十二月、小島さんらが外国人居住地を回った際、週末の夜にもかかわらずほとんどの家に明かりがなく、引き払った様子だったという。年末の炊き出しには外国人の列ができた。
 一九九〇年代の入国管理法改正は労働力確保のため日系人の就労条件を緩和。同地域の製造業で働く外国人が急増した。小島さんは「日本中が厳しい状況だが、せめて基本的人権は守れるよう、行政も積極的に対応してほしい」と訴えた。

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