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「刻苦勉励」の二宮尊徳=石像到着記念しセミナー=母県から報徳博物館長ら=レジストロへも訪問

ニッケイ新聞 2009年1月31日付け

 戦前建てられた日本の小学校の多くに置かれている、薪を背負って本を読む二宮金次郎(尊徳)の像。郷愁を感じる人も多いだろう。その刻苦勉励する姿は、西欧列強に負けじと立ち上がろうとする日本人の勤勉さを象徴する一つの姿だ。尊徳の故郷・神奈川県では、ブラジル県人会からの熱い要請に応え、その石像を贈った。その記念セミナーが、二宮金次郎像ブラジル受け入れプロジェクト実行委員会(高村純委員長)により、二月七日午後一時から文協小講堂で開催される。同委員長は「多くの人に金次郎の崇高な思想に触れてほしい。ブラジルにこそ、広まる価値のある素晴らしいものです」と来場を呼びかけている。
 尊徳像をブラジルに送る話は、昨年、ペトロブラスなどブラジル先端産業視察のため来伯した松沢成文県知事に対し、県人会から要望が寄せられたことに始まる。
 同知事は帰国後、九月十一日に「『二宮金次郎像、ブラジルに渡る』プロジェクト実行委員会」を結成し、県民に募金を呼びかけた。県内にある尊徳に関する資料を展示する報徳博物館がそれに応え、二メートルの石像を寄贈することになった。先週その像が、日本から届いたばかりだ。
 十四歳で父、十六歳で母を亡くした尊徳は、幼い頃から一家の大黒柱として、昼は薪を背負って働き、夜は家で縄をない、わらじをつくった。薪を運ぶ途中には本を読み、空いた土地に蒔いて育てた菜の花の油を灯して夜勉強したという。
 勤勉を武器に荒地を耕し、田畑を小作に出して収入の増加をはかる商才を見せ、二十歳にして生家の再興に成功。武家奉公人として小田原藩家老服部家に雇われ、その才を買われて同家の財政建て直しを頼まれると、節約や低利息貸付などの斬新な発想で五年ほどかけて見事に成功させ、藩内にその名をとどろかせた。
 その勤勉さで困難に立ち向かう生き方は、まさに初期移民がブラジル社会で地歩を築いてきた姿と重なり合うものがある。
 今回開催される二宮金次郎セミナー(無料)のテーマは「二宮金次郎の生き方その教えと初代移民」。日ポ両語の同時通訳付き。第一部は報徳博物館長の草山昭さんが尊徳の生涯を語り、第二部では尊徳の報徳思想が、現代の社会に大きな力を及ぼすことについて講演。第三部はその生涯をビデオで鑑賞する。
 また、同委員会は二月八日午前十時から神奈川文化援護協会(サンパウロ市ビラ・マリアナ区マジョール・ニュートン・デ・フェリシアーノ街75、村田洋会長)で母県から運ばれた二宮金次郎像の除幕式を行う。同時に草山館長の小講演もある。式には尊徳の子孫、二宮精三さんも出席する予定で、同十一時から記念軽食会が開かれる。参加無料。
 同日午後七時半からは、場所をレジストロ文化協会(レジストロ市ナカツガワ街165、清水武ルーベンス会長)に移し、会食セミナーを開催する。こちらは招待券購入が必要。
 神奈川協会の村田洋会長は、「多くの方の来場をお待ちしています」と呼びかけた。
 セミナーと除幕式の問い合わせは、神奈川協会(電話11・5082・3141)または村田会長(11・3208・0340)へ。レジストロ会食セミナーは同文協(13・3822・4144、ファビアーネまたはジャズミン)まで。
 尊徳像ブラジル受け入れプロジェクト実行委員会は文協、県連、援協、神奈川協会、FENIVAR、レジストロ文協、ジャクピランガ文協、パリケーラス文協、ABCジャパンが共催。

尊徳に関する逸話=県人会が広く募集

 神奈川文化援護協会(村田洋会長)では、二宮金次郎像除幕式を記念して、「二宮金次郎を思い浮かべて開拓してきた」「尊徳の像を建てた」など、関係する逸話を募集している。
 百周年の昨年五月三日にパリケーラス市で、その二~三カ月後にはジャクピランガでも尊徳像の除幕式が行われた。
 これはジャクピランガ市の斉藤咲男さんの尽力で建てられたもの。斉藤さんは小さい頃、母親から「人間はどんなに貧乏であっても勉強を忘れてはならない、昔、日本に二宮金次郎という偉い人がいた」とその生い立ち、業績を聞かされた。以来、斉藤さんの頭から尊徳のことが離れなくなり、母の言葉の通り、勉学に励み一人の社会人として世間に尽くせる様になった。そのことを感謝して、昨年建立されたという。
 このような逸話のある方は、神奈川協会(11・5082・3141)まで連絡を。

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