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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年2月18日付け

 イタリアの上院でとんでもない法案が可決された。医者が無資格滞在外国人を告発できるようにするもので、本来はビザに関係なく保証されるべき基本的人権をまったく無視したものだ。ビザなし外国人は病気にもなれないとは先進国にあるまじき嘆かわしい状態だ▼スペインではビザなし外国人労働者に帰国費用を用立てて五年間は戻ってくるなという積極追い出し策を実施、英国民は反外国人労働者ストをするなど、欧米で外国人嫌悪が強まっている▼グローボTV局報道によれば、そんな欧米にいるブラジル人の大半は無資格滞在なので、さっさと見切りをつけて引き上げているという▼例外はデカセギたちだ。彼らは雇用や教育を求めてデモ行進をし、まったく別の動きをしている。世界において、日系人にとって一番居心地がいい働き場所が日本であることを結果的に証明している▼欧米では官民挙げて外国人に嫌がらせをしている状態なのに、日本では、地方自治体がデカセギ子弟の教育問題の検討を始め、特別雇用をしている。民間ボランティア団体による外国人支援のニュースも連日流れている▼ところが十七日付けフォーリャ紙は島内憲駐伯大使談として、日本政府がデカセギに「調和ある帰伯を促す」との報道をした。スペインの二番煎じのニュアンスを感じる▼調べると、内閣府が一月三十日付けで発表した対策で、第四項「本国への帰国を希望する定住外国人の円滑な帰国が可能となるよう、環境整備を図る」のこと。記事と原文ではだいぶ雰囲気が違う。大使館の伝え方の問題か、伯字紙記者の煽り姿勢のせいか。時節柄、慎重な報道が求められる。(深)

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