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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年3月10日付け

 北朝鮮が今月中に長距離弾道ミサイルを発射するかもしれない。テポドン2号と呼ばれるもので今年に入ってから部品を組み立てる動きがあり、日米を始め韓国も警戒を強めている。防衛庁は日本海に迎撃ミサイル(SM3)搭載のイージス艦を派遣することを決め、もし、日本列島に向け発射されればSM3で迎撃する方針であり、これはもう実質的な「戦争」と見ていい▼1998年に北朝鮮は、テポドン1号を発射し、このときも日本の空域を飛行したけれども、最終段階で失敗している。こうした背景があり自衛隊は緊迫した状況に追いやられ、日本を取り巻く軍事情勢は中国の軍隊の動きなど日1日と厳しくなっている。中国の全人代(国会)には、軍事費として昨年比15%増の予算案が提出されており、この21年間連続しての軍事増強にも目を向ける必要がある▼中国は、今年から空母建設に着手するの観測がしきりだし、ミサイルや原爆も所持しているのだから日本の安全保障は危機的な状況に陥っている。こうした現実から目を背けるような発言を民主党の小沢一郎代表が発言し「駐日米軍は第7艦隊だけで十分」と語り、この実体無視の失言に与党やマスコミから厳しい非難が相次いでいる▼言うまでもなく、民主党の安保論議は真っ二つに別れており、一本化された防衛政策はない。この小沢代表の暴論は、けだしーこんな党内事情を物語るものであり、2大政党論を掲げる小沢一郎氏としてはいかにも不見識に過ぎる。これでは民主党政権は困るの有権者が増えるのではないか。  (遯)

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