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帰国後のデカセギ子弟教育調査=阪大プロジェクトから2氏来伯

ニッケイ新聞 2009年3月18日付け

 大阪大学大学院の志水宏吉教授が代表をつとめる「往還する人々の教育と各国の教育政策の比較調査」プロジェクトのため、林嵜(はやしざき)和彦・福岡教育大学准教授(38、大阪)と大阪大大学院生の中矢ジャケリネさん(28、三世、バストス)が十日に来伯。同プロジェクト員であり、百周年史調査員として滞伯中の山本晃輔さんと一緒に来社した。
 林嵜准教授は不況のためデカセギを取り巻く環境が激変した悲惨な現状から、帰国子弟が激増していることを予想し、「いま見ておかなければいけない」と今回の来伯調査に至った経緯を説明する。
 経済危機後は「まずは雇用をどう確保するか」が最重要問題で、子弟の教育問題にあまり目が向かなくなってしまったと嘆く三人。
 それまでは、ブラジル子弟の教育研究調査がだんだんと進み、これから「量」ではなく「質」へと変わりつつある時だったという。
 一行は、帰伯したデカセギ子弟の教育調査のため、マリリア、ロンドリーナ、バストスなど日系集団地の日本語学校を回り、本人やその保護者、教師たちにインタビューを行い、十八日に帰国の途につく。

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