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「日本の文化に触れて」=愛知県から文協図書館へ=嬉しい新書4千冊届く=「愛知県コーナー」新設

ニッケイ新聞 2009年3月21日付け

 愛知県からブラジル愛知県人会(豊田瑠美会長)を通して、三千九百五十冊もの新図書が文協図書館に届けられた。「若い人をはじめ多くの人に活用してもらい、日本文化に触れてほしい」――。昨年八月に挙行された同県人会創立五十周年記念式典に出席するため来伯した際に、神田真秋知事はそう話しながら上原幸啓文協会長へ目録を手渡したが、それが実現した。「図書館ができて五十年経つが、これだけ多くの新図書が寄付されるのは初めてのことでは」と栗原猛・文協会長代理。半年間は「愛知県コーナー」を設置し、多くの人の手に触れるようにしていく。
 豊田愛知県人会長は、「県人だけじゃなく、皆さんに使って頂ける。とても嬉しいです」と喜びを表す。
 十七日夜、ダンボール箱五十四箱が雨の中文協に届いた。中身は移民関係図書にはじまり、愛知県関係資料、生活・社会情報資料、日本文化資料、日本語学習、辞書・事典、文芸書、児童書、絵本、漫画など。「新しい本を中心に」との神田知事の言葉通り、厳選されている。
 愛知県関連の図書では行政資料だけでなく、戦国武将に関する本からプロ野球の中日ドラゴンズ関係図書、名古屋近郊の車窓風景写真集まで、多岐にわたっており、県人のみならず一般の人も楽しめそうだ。
 翌十八日に同図書館で行われた贈呈式には豊田県人会長、栗原会長代理、小森広文協図書委員長、図書館の職員が参加した。寄贈された約四千冊で、同図書館の在庫は五万冊以上になった。
 小森図書委員長は、「本当にありがたい。大いに皆さんに活用してもらいたい」と話し、すぐにでも新しい書棚を購入、『愛知県コーナー』を半年間設置して、登録が済んだ図書から貸し出す意向を説明した。また、登録済みでなくても、その場で読むことができるよう便宜を図るという。
 図書館職員の皆川ルイザさんは、「新しい本がこんなに大量に届けられたのは初めて。本当に嬉しい」と喜ぶ。
 皆川さんによれば、現在ある図書は寄贈されたものもたくさんある。古い図書が多いものの、遠くから二週間に一度通ってくる高齢者や、日本語学習のために通う若者もいる。「おかげで、ますます日本の本を読む楽しみを感じてもらえる」と皆川さん。
 同図書館は文協会員であれば一人五冊まで二週間貸し出し可能。月曜日から金曜日は午前九時から午後七時まで、土曜日は午後一時まで。問い合わせは、電話(11・3208・1755/図書館)まで。

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