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55周年、法人化の多忙な5年=京都会総会=杉山エレーナ会長が勇退=新会長に中野義雄氏就任

ニッケイ新聞 2009年4月1日付け

 ブラジル京都会は三月二十九日午前十時過ぎからリベルダーデのレストランで定期総会を開催し、二十人余りが出席した。前身の京都クラブ時代から舵取りをしてきた杉山エレーナさんが「会長は任期四年が最長」という会の定款に沿って勇退し、中野義雄さん(74)が新会長に就任した。
 先亡者への黙祷後、杉山会長は、昨年知事を迎えて開催した京都文化産業フェアや同会創立五十五周年記念式典の後も、サンパウロ州議会副議長が京都府庁を訪問するなど、母県との交流が続いていることを喜び、「人と人との温かい交流が続いていくよう、今後も出来る限り手伝いさせていただきたい」と勇退後も会を支えていくことを表明し、拍手が贈られた。
 西東一彦監査の進行で二〇〇八年度の事業報告が拍手で承認され、続いて会計報告へ。
 昨年度の日本祭の売上金と寄付金を柱とした収入は計四万九千レ。支出はほぼ同額で、残金は約二百レとなったことが拍手で承認された。
 杉山会長から、会員でジャクト創業者の西村俊治さんが今年から寄付を見合わせる意向であることが説明されると、出席者から「赤字経営にならないように」と懸念の声も上がった。
 今年度は、日本祭への参加や、中野新会長を中心にした文化教室の開講、七月に京都府からピアニストの宮下和夫さんを迎えることなどが確認された。
 役員改選では、前もって新役員らの名前が会場に張られていたものの、少ない会員の中からの選出のため最後まで埋まらず、ようやく決定。
 杉山会長の推薦で次期会長に大抜擢されたのは、「本格的に同会員になったのはたった三年ほど」という中野さん。一九六六年に来伯、建築設計士として計二十五年は「インドやカンボジア、ラオスなどでデカセギをしていた」という異色の経歴の持ち主で、現在は歌謡バンドでベースなどを担当している。
 「どのくらいのことができるか分からないが、アイディアはたくさんある。皆さんの力が必要なのでどうぞよろしく」と協力を呼びかけた。
 第一副会長に就任した県費留学生OBの花山みどりエリアナさんは、「会長と一緒になっていろいろやりたい」と抱負を話していた。
 総会終了後は昼食会に移り、和気藹々とした雰囲気の中歓談を楽しんだ。
 勇退する杉山会長は二〇〇四年に、それまで五十二年の歴史を持ちつつも法人化されていなかった京都クラブを法人化、県連にも加盟したほか、昨年の創立五十五周年式典で初めて母県から府知事を迎えるなど、大きな業績を残した。
 ニッケイ新聞の取材に対し、「みんなを集めることが一番大変でした」と苦労を振り返りながら、「四年間やり終えてホッとしています」と笑顔を見せていた。
 新役員は以下の通り。(敬称略)
【会長】中野義雄。【副会長】第一=花山みどりエリアナ、第二=吉岡良男パトリッシオ。【書記】第一=三宅エリオ、第二=新井直人レオ。【会計】第一=吉岡みどりクリスチーナ、第二=計良パウリーナ。

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