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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年4月1日付け

 文協評議員選挙を見て気付いたことが二つある。一つは「本当に野党が政権を取りたいなら大同団結すべし」という点だ。お互いの主張に違いはあるだろうが、まずは政権をとらないと何も始まらない。スタート台にも立てない。今までの二回の選挙では三派に分かれて争ったが、結局、得をしたのは現体制だけだった。野党が勢力を二分したからだ▼谷広海候補が立った四年前、もし下本八郎候補と連立していればすでに政権を治め、百年祭を挙行していた。二年前も高木ラウル候補と小川彰夫候補が組んでいれば、互角以上の勝負をした。今回もしかり。本気で文協を変えたいなら、野党が結束するのが最低条件だ▼でなければ、現段階で評議員の多数を抑えている与党にとって、脅威は何もない。放っておいても四月二十五日の会長シャッパ選びは、一〇〇%現政権が勝つ▼加えて、もう一点。現体制の実質的なまとめ役は当初から一貫して渡部和夫氏だった。日系初のサンパウロ州高裁判事になった秀才であり、誰もが敬意を示す人物だ。途中から評議員長に就任したが、文協の〃顔〃はあくまで理事会の会長であることを思えば、裏から操っていた印象は免れない▼会員の意見を代弁する代表者を選挙によって選ぶのが民主主義だ。選挙で選ばれる表の顔は入れ替わっても、まとめ役は一緒という体制では、会員の投票が実質的に意味をなさなくなり、選挙制度が形骸化してしまう▼なら、渡部氏自身が会長に出馬した方が分かりやすくなる。文協には日系社会の将来を導く使命がある。会員から見て、意思決定するリーダーの顔が見える、透明な形で運営してほしい。(深)

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