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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年4月2日付け

 文協総会で無事、新評議員五十人が選出された。目立ったのは、企業・団体評議員が多いことだろう。すでにいる五十評議員の割合と合わせると半数近くとなる。アマゾン、ブラジリア、ノロエステなど遠隔地の連合会や日本人会も入ったことで、全伯日系団体を包括するUNENのような団体になりつつあるようにも思えるが実行力には疑問符がつく▼会長が全権代表となっているところもあるが、当選したことを会員らが知らない団体もあるのではないか。三派が推薦立候補者のリストを発表したが、ある団体の会長いわく、「問い合わせなど一切なく、勝手に載せられていた」とか。百周年協会は地方団体が理事になっていたが、一部の幹部が実権を握っていた。文協が同じ轍を踏む可能性は大だろう▼「再生グループ」を推薦する谷広海氏によれば、会費未納の四十三人分の投票が無効となったが、同派のメンバーがほとんどで、投票時に過去の未納分が発覚したそうである。あれだけ会費全納を呼びかけた事務局が、会費納入の締め切りまでに通知することもできたのではないか。こういう〃不親切〃が体制側への不信を生む結果になる▼総会に出席したのは、二千四百会員のうち百人にも満たず、会員の参加意識の低さが浮き彫りとなった。「情けないねえ」と漏らすのは杖を突いて出席した某創立会員。〇八年度の事業・会計報告などは一切なく、議題は選挙のみ。これらは今月二十五日の評議員で承認される。会員が運営内容を知ることができないことを嘆くのも無理はない。文協の基盤を築き、支えてきた会員が将来を憂える現状を、評議員らは看過してはならない。(剛)

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