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ニッケイ新聞 2009年4月4日付け

 小井手学園創立六十周年で出版された『宏深の夢』のあとがきで、小井手伊勢子さんは「昭和七年から、昭和六十二年までの五十六年間、睡眠時間三時間を実行しました」と書く。なんと午前一時に起床し、四時間を執筆・勉強、午前八時半から午後四時半まで昼の部の授業、午後六時半から八時半は夜間部、午後十時には就寝という生活を五十六年間も。その間、ミシン一台、内弟子一人から、同百六十台、学生三百人以上に発展したという。ブラジルで七歳からの十年間を過ごした経験が、この強靭な人格形成に影響を与えたことは間違いないだろう。
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 「京都ブラジル友好の森」創生植樹が先月上旬、日本の派遣団によりパラー州サンタバーバラ市であった。昨年初めて府知事の来伯に漕ぎ着けたブラジル京都会も着々と日伯友好の絆を深めていたが、「こんなことがあったなんて知らなかった」と杉山エレーナ元会長。主催は日本のNGO。府、京都市、京都ブラジル文化協会も後援しているのに「連絡が来ないなんて、悲しいやら情けないやら」とため息。
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 日本で犯罪に手を染める日系ブラジル人が増えている。新潟ではイシダ・ルディ・タツオ容疑者(31)ら三人が事務所を荒らし、わずか三千八百円を盗んだ。ほかにも約十件の犯行を繰り返したと自供している。長野県ではタクシー運転手から三万三千円が入った財布を奪ったヤスダ・ボブソン・コーイチ容疑者が逮捕された。不況とはいえ、決して同情できるものではない。

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