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大耳小耳

ニッケイ新聞 2009年4月14日付け

 移民して長くブラジルにいる人のことをマカコ・ヴェーリョ(古猿)といい、人文研の顧問だった河合武夫氏に『古猿録』の作品も。モジではかつて、一九六〇年までに同地に入植し、三十年が経った人のことをそう呼んだ。その四十一人のマカコ・ヴェーリョ達が六〇年に「入植記念碑」を建立したが、現在の生き残りは、加納末広さん(88)と根岸建治さん(99)だけとなった。その一人、加納さんが秋祭り開催前の慰霊祭で入植の経緯などを話し、出席者らが耳を傾けた。式典での一分間の黙祷で済ますイベントが多いなか、先人の苦労を忘れまいとするその姿勢に秋祭りの発展の基本を見たような気がした。
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 今年始めにあった大雨でモジも洪水が起き、市民に避難者が出た。避難先に苦慮したマルコ・バエルタイオーリ市長は正月二日、ウバツーバで休暇を楽しむ中山喜代治文協会長に連絡。中山会長は、その場で体育館の使用を許可、九家族が二カ月半避難生活を送ったという。式典のあいさつで市長が謝辞を述べており、こういう手の差し伸べあいが秋祭りの強固な協力関係を育むのだろう。来年のモジ市制四百五十年祭にも期待。
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 本紙編集部がまとめた写真集『百年目の肖像~邦字紙が追った2008年』。一般価格は八十レアル、本紙購読者に限り、三十レアルと十八日付けの紙面で報道したところ、「何冊買ってもいいのか」と問い合わせが殺到。これは購読者へのサービスで、もちろん一冊のみ。二十三日に文協九階である出版記念会では六十レアルになるほか、今年に入っての新規購読者(一年間、四百五十レアル)は一冊無料となるので、こちらもどうぞ。

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