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東西南北

ニッケイ新聞 2009年4月17日付け

 スペインの学校で迫害されているブラジル人子弟の親が当局に訴え、同国での人種差別と外国人排斥に対する論議を醸し出したと十五日付BBCが報道。被害者は移住四カ月の一二歳と九歳の兄妹で、暴行や言葉による暴力を受け、医師やカウンセラーの援助も受けているという。三〇〇の小学校での調査では、四六%の生徒がラ米出身の生徒と共同作業はしたくないと答え、ジプシーやユダヤ人、モロッコ人と一緒に勉強したくないは三分の二。外国人子弟受け入れ態勢は十分という教師九〇%に対し、そんなものはないと答えた生徒六四%。人種差別や外国人排斥に反対八〇%に対し、賛成八%で、三・四%の子供は被害者側だ。差別や暴行の原因は肌の色の違いなどで、問題なく受け入れられるのは米国や西欧諸国の生徒だけとの報道は、重い。
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 南伯を除いて全国的に雨模様だが、アマゾン地域の雨季入りで、北伯や北東伯は雨の被害拡大。堤防決壊も起きたパラー州アウタミーラでは非常事態宣言まで出ている。サンパウロ州テレジーナでは十五日、給食の時間に携帯電話で音楽を聞いていた学生が落雷で死亡する事故も起きた。一方、昨年十一月の大雨で大損害を蒙ったサンタカタリーナ州では、西、中央部などで年頭から雨不足。給水車出動が必要となった地域もある他、牧畜などに影響が出始めている。
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 サチアグラハ作戦の指揮官だったプロトジェネス氏が、連邦警察からの更迭通知を受け、組織的で烈しい迫害に苦しんでいるとブログに書き込んだという。事件で知名度が上がり、政治の世界にとの誘いも受けていた同氏が、連邦警察そのものを逆に告発したことにもなる記述に、国民はどう反応する?

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