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「日伯繋いで恩返ししたい」=百年史調査員山本さんが帰国

ニッケイ新聞 2009年4月21日付け

 ブラジル日本移民百周年記念協会(上原幸啓理事長)による記念事業、移民百周年史編纂の専門調査員として来伯した山本晃輔さん(26、兵庫、大阪大学大学院人間科学研究科人間科学専攻)が、一年間の任務を終えるにあたりニッケイ新聞を訪れ、報告を行った。
 来伯してすぐにアニェンビーでの百周年記念式典に出席し、「日系社会が予想以上に大きなパワーを持っていて驚いた」と話す山本さん。
 人文研の資料室を拠点とし、最近はキャラバンで地方のコロニアを歩き回り資料提供などを呼びかけていた。
 「温かく迎えてくれたり『全然勉強してない』と檄を飛ばされたり、全てありがたかった。いろんな事を勉強させてもらいました」と地元の人との交流を穏やかな表情で振り返る。
 百年史はやっと下準備ができた段階。仕事半ばで帰国することになり、心残りがたくさんあるという。
 もともと大学で外国人子弟の教育問題を研究してきた。滞伯中もデカセギ帰伯者子弟の現状を調べるなど、自身の研究も進めた。帰国後はブラジルで集めた情報を整理し、「日伯を繋ぐ役割をして恩返しをしたい」と話していた。
 山本さんは十六日に帰国。八月に一、二カ月ほど大学の研究で再来伯予定。

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