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山本喜誉司賞=伊藤、雨貝2氏に栄誉=養鶏と和栗の発展普及で=「もっと研鑽重ね、精進したい」

代理受賞した伊藤さんの妻

代理受賞した伊藤さんの妻

 農業分野における功労者を顕彰する「山本喜誉司賞授与式」が今月9日夜、文協貴賓室で行われた。これは1965年に始まった表彰で、今回で48回目。今年は、養鶏の技術発展に貢献した故・伊藤悟氏(享年82、広島県)、新種の和栗を持ち込み、栽培技術普及に貢献した雨貝久氏(81、茨城県)の2氏が栄誉に輝き、家族や関係者らとともに受賞の喜びを分ち合った。

 開会にあたり、長井邦弘実行委員長が2氏の功績を紹介。伊藤氏については「他国の新しい技術を取り込み、常に革新と近代化を追及。単に卵の生産だけでなく、鶏糞処理まで手掛けたパイオニア」と称賛。また、雨貝氏については「進取の気性に富んだ生産者。クリスマスにスーパーの棚にかなりの国産栗が今日並ぶようになったのは、彼のお陰」と称えた。
 祝辞を寄せた呉屋春美文協会長も「起業家精神に裏打ちされた積極的な精神で以って、社会の幸福と国際親善のために、食環境向上させた。山本喜誉司氏に見られるこの精神は、今宵受賞された両氏に共通している」と賛辞を送った。
 また、授与式に寄せて、二宮正人弁護士が、山本氏が東大農学博士号を取得した際の博士論文の複写が今年になってブラジルに持ち込まれた経緯について説明。その他、中野直樹在聖副領事が祝辞を寄せた。
 挨拶した故・伊藤氏の息子・エイジ氏は「父は常に大きな夢を抱き、多くの着想、情熱、実現すべき事業を持っていた。養鶏界に猛烈に尽くした日本移民の一人だったと確信している」と遺徳を偲んだ。父・悟氏は受賞の朗報が伝えられた6日後に逝去したという。
 エイジ氏は「偉大な事業家の息子として、僕達はブラジルの養鶏業が発展するよう、継続して責任を全うしてゆく」と背筋を正した。

雨貝さん

雨貝さん

 一方、栗栽培が有名な茨城県出身の強みを活かし、新種の和栗を導入して40年近く栗栽培をしている雨貝氏は、「実績を築き上げられたのは、日々私を見守り指導して下さった諸先輩方や家族の支えあってこそ。この感激を胸に刻み、表彰の栄誉に恥じないよう、さらに研鑽を重ね、技術継承に務め、精進したい」と謝意を滲ませた。
 本紙取材に対し、雨貝氏は「昔は国産品が殆んどなく、国産栗はバカにされ、輸入品の半分くらいの値打ちしかなかった。でも不良品をなくすように努力を重ね、ようやく信頼されるまでになった。今では僕の栗もブランド品になり輸入品に負けない評判をえた」と笑みをこぼす。
 「今は生産量が35トンほどだが、将来は200トンを目指したい」と意欲を語り、「新たな加工の開発や、販売方法など課題はたくさん。まだまだこれからですよ」と目を輝かせた。

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