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静岡県=就職安定融資が一千件=デカセギ集住地に集中

ニッケイ新聞 2009年5月14日付け

 【静岡新聞】静岡県内の有効求人倍率が二カ月連続で過去最低を更新する中、解雇や雇用期間満了による雇い止めで離職し、社員寮などから退去を余儀なくされた人を対象に住居入居の初期費用などを融資する「就職安定資金融資」の県内申込数が、昨年十二月下旬の取り扱い開始以来、約四カ月(四月二十七日現在)で千二件となり、千件を突破した。製造業の盛んな県西部に集中し、外国人が全体の約六割を占め、厳しい雇用環境を反映している。
 取り扱いをしている県労働金庫によると、申込数は浜松(浜松、浜松東、浜松北、浜松高台、浜北の五支店)が四百四十九件、磐田支店が百四十三件、掛川支店が百十三件など。県西部全体は八百十六件で、県東部百二件、県中部八十四件に比べ、県西部が突出している。
 外国人の分類はしていないが、同金庫は「ほとんどは県西部からで、多くは製造業に携わってきた日系ブラジル人ではないか」とみている。実際に融資が実施されたのは八百二十三件で、融資総額は八億四千八百万円。契約数のうち八三%は県西部が占める。
 同融資は厚生労働省の要請を受け、全国十三の労働金庫が取り扱う。貸付希望者はハローワークで貸付資格の認定を受けた後、労働金庫で審査を経て融資を受ける。全国総数は八千七百九十四件(二十七日現在)で、県内分だけでも一割以上を占める。
 貸付対象は、敷金や礼金など上限四十万円、転居費用など上限十万円。雇用保険の受給資格がない人は家賃補助と就職活動費も申し込める。沼津市と御殿場市が、同融資貸付者を対象に利子補給制度を設けるなど、県内の自治体でも生活支援対策の一環として取り組んでいる。

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