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井上祐見さん=麻生総理の横で写真に=百周年写真集にメッセージ

ニッケイ新聞 2009年5月21日付け

 十年間も欠かさずブラジル公演をしてきた〃コロニアが育てた歌手〃井上祐見さん(=横浜在住)が麻生太郎首相らのすぐ横で、日本の著名人らと記念写真に収まった――。中心にいる首相の左には、女優の竹下景子など早々たるメンバーが。
 それもそのはず、これは四月十八日に総理主催で東京都内の新宿御苑で行われた「桜を見る会」での一コマ。日本が誇る各界の代表者や、文化・芸能、スポーツ界などから約一万一千人が招待され、その一人に井上さんが今年も選ばれた。
 しかも招待者の中でも、報道陣向けの記念撮影会場に入れるのは、ごく少数とか。
 その時、総理は『ふるさとに はや桜満つ ゆゑ問へば 冬の寒さに 耐へてこそあれ』との歌を披露。就任直後に未曾有の世界同時不況に見舞われ、大変な政局運営を任されたことを振り返り、そのような冬の時代に仕込んだ経済政策が、いずれこの桜のように花咲く、と詠んだ。
 この井上さんが、麻生総理にも謹呈されたニッケイ新聞の百周年記念写真集『百年目の肖像』刊行に際し、次のようなメッセージを寄せた。
   ☆   ☆
 移住から百年が経ち、色々なところで世代交代の時期になってきている中で、一世、二世、三世と皆さんが力を合わせて成功された百年祭の様子が写真集として残されること、本当に嬉しく思います。
 この写真集がこれから先、たくさんの人たちに色々な事を伝えていくものだと思います。ブラジルだけでなく、日本、そして世界の人たちにも、写真集を通じて百年祭の事、そして時代を進むのではなく、移住という百年の歴史を振り返り、未来を見つめなおすきっかけとなれば、いいなと思います。
 皆さまの力が一つになり、成功した百年祭。その百年祭に関わられた皆様、本当にお疲れさまでした。
 そして、その意味のある百年祭の記念写真集の出版、誠におめでとうございます。
 その記念写真集が、いつまでも日系社会の誇りと財産でありますように。
   ☆   ☆
 井上さんがいつも来る季節の七月頃には、多くの在日ブラジル人の〃ふるさと〃サンパウロ州でもあちこちで桜祭りになる。その頃には総理の経済政策が功を奏し、解雇の嵐の吹き荒れた〃冬〃を乗り越え、デカセギに再び春の日差しのような求人が舞い込んでいるか。

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