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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2009年5月29日付け

 警察庁のまとめによると、今年一~四月の自殺者は一万千二百三十六人(暫定値)で、前年同期より約五百人増えたという。年間の自殺者数は昨年まで十一年連続で三万人を超え、このままでは年間の自殺者数が過去最悪になる恐れもある。
 ブラジルの自殺者は日本の約五分の一。誤解を恐れずに言えば、自己主張をし、楽しむことを第一とし、家族や友人などとよく話をする。一方、現代の日本に目を向けると、ほぼ反対のことが起こっているとは言い過ぎではないだろう。
 自殺の増加原因を経済の悪化に求めるのは簡単だが、全てではない。ブラジル人の社交性、つまり日常において何となく話をする行為が、意外にも悩み相談や鬱憤晴らしになっているのではないか。
 自ら命を絶つ同胞のニュースを聞くたびに胸が痛む。 (仙)

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