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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年6月9日付け

 借金が16兆4千億円。従業員は最盛期に63万人もいたのに10分の1の6万3千人に削減の大手術を実施して再建を図る。こんな現状から逃げ出そうと、米ビッグスリーのトップGMが経営破綻し、破産法の適用を申請した。米政府の資金支援は4兆8千億円にも達する見通しであり、株式の60%を取得し、事実上の国営となる▼それにしても、あのキャデラックなどの豪華な車を誇った名門がまさか破産するとはー。勿論、GMに苦言し改善を忠告する真面目な人もいた。現代経営学の父・ドラッカー氏は90歳になった1999年、10年以内にGMが行き詰まると予言し、抜本的な改革を進言したが、経営陣は取り合わなかったーと共同通信は報じる▼労働組合が強く、工賃は高い。首脳や幹部はさながら将軍になったようで忠言を聴く耳を持たない。ガソリンを撒き散らす巨大で華麗な車の製造を重んじた経営にこだわり、後続のトヨタらに追い込まれていく。08年には原油相場がバレル150ドルに迫る史上最高値になり、消費者は小型で使いやすい車に向かったが、この変化への対応が遅れたのが致命傷になった▼先のクライスラーに続くGM破綻で健在なのはフオードだけとなったが、自動車の販売も年間1600万台だったのに09年は1000万台を切るの観測が強い。こんな情況であり将来も決してバラ色ではなく厳しい競争が待ち受けている。もう大型で美麗ではなく電気自動車などを求める時代に突入したの感覚を強める必要がありそうだ。  (遯)

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