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東西南北

ニッケイ新聞 2009年6月18日付け

 十六日にエールフランス機被害者の遺体が一体回収され、総数は五〇体となった。十二日以降悪天候などで回収が途絶えていたが、今回の回収地点はセネガル領海。レシフェから一五〇〇キロ、最初の遺体回収地点から一四五キロ離れている。また、最初に検死が行われた一六体の着衣状況から、空中分解説が有力視されていたが、その後回収分の遺体の多くは服を着たままのものが多く、回収作業を容易にするために着衣を剥ぎ取った可能性もある様だ。ブラックボックス回収までは原因の確定報告は困難だろうが、エアバス社は原因についてはノーコメントの立場を貫いている。
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 十七日から二十二日の日程で始まったサンパウロ市のファッション・ウイークSPFW。フランス年の今年は、イビラプエラでのショーに、パリで活躍する九人のスタイリストのグループも参加する。九人の中で唯一のブラジル人、グスターヴォ・リンス氏は、ミナス連邦大学で設計工学を専攻後、スペインのバルセロナで修士課程を終了してからファッション界に入った変り種。勉学の合間に描いたデザイン画を見た教師が服飾の世界に行くことを勧め、裁縫技術も独学で身に付けた。六年前に開店したパリの店は、設計士の目で分析したデザインが体に馴染み易いとの評判で、軌道に乗ったという。
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 十六日に行われた、リオ西部を取り仕切るミリシアの摘発作戦では、四五人が逮捕され、資金源となっていたガスの販売所やケーブルテレビの中継所が閉鎖され、多くの武器も回収された。回収された武器の中には、松葉杖を改造した銃等もあり、背筋が凍る思い。サンパウロ州で摘発されたネオナチグループでは手裏剣まがいの武器もあったが…。

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