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関心高い邦楽コンサート=MASP講堂満員の人気=サンパウロ市

ニッケイ新聞 2009年6月25日付け

 ブラジル日本音楽協会(ダニーロ・トミック会長)は「日本音楽チャリティーコンサート」を七日午後三時からMASP大講堂で開催した。当日チケット売り場には列ができ、会場が満員となる約三百五十人の観客が集まる人気。非日系の学生の姿も多く、関心の高さをうかがわせた。
 同コンサートは、箏曲生田流・宮城会、箏曲生田流正派・正派ブラジル箏の会、尺八琴古流・石見梅旭門、コーラスとして梨の木会が参加し、総勢六十人が出演する二部構成のプログラム。楽器には箏、三弦、十七弦、三味線、尺八、太鼓が用いられた。
 第一部では「都踊」や「涙そうそう」、「島唄」など馴染みのある曲が演奏されたほか、トミック会長による尺八独奏「巣鶴鈴慕」、尺八と箏のセッション「クレッセント」などが披露された。
 第二部「夏の曲」では舞台セットを用意。箏の演奏に合わせ、茶道裏千家ブラジルセンター(林宗慶代表)の賛助出演による葉蓋点前が披露され、「ここでまり」や尺八二重奏「利根の船唄」、指揮とコーラスをつけての「春の賦」が演奏された。
 トミック会長は石見梅旭前会長の弟子。二十年同氏に師事し、家元「梅京」の名を授かった。
 今回のコンサートでは尺八独奏や指揮を担当。「会場の音の反響が非常に良く、気持ちの良い演奏ができた」と振り返り、「古典・現代音楽を交えたおもしろいプログラムに仕上がった」と話す。
 非日系の同会長は「こういったイベントが日本古典音楽がブラジル人に理解されるきっかけになれば」と話し、「聞きやすい現代音楽も取り入れ広めていきたい」と今後の抱負を語った。
 箏曲生田流・宮城会の小倉祐子代表は「三カ月かけて練習してきた成果を発表できた」と安堵の表情を見せていた。
 今回の収益から一千レアルが二十五日、希望の家に寄付される予定。

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