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13歳からの夢を実現=菓子職人の小松奈美さん=『ナミ・シュー』17日開店

ニッケイ新聞 2009年7月15日付け

 「子供の頃から、お菓子作りが大好き。父と一緒にお菓子屋さんを開くのが夢だった」――。日系二世のパティシエ(菓子職人)小松奈美カーチアさん(29)が、その夢を実現、十七日からサンパウロ市セルケイラ・セザル区の高級住宅街に菓子店『Nami
 CHOUX(ナミ・シュー)』をオープンさせる。
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 「お菓子を作るのが本当に好き」―。二言目にはこう話す奈美さん。菓子職人としてのキャリアの始まりは、なんと十三歳のとき。
 「社員の誕生日には奈美にケーキを作ってもらっていた。その人のイメージに合わせてデコレーションして、本格的で美味しかったですよ」。父の幹彦さんは目尻を下げてこう振り返る。その頃から「一緒に菓子屋を開こう」と話していたという。
 大学卒業後、監査法人で経理をしていたが、四年前から本格的にパティシエ修行を開始。専門学校で学びつつ有名菓子店で経験を積んだ。さらに二〇〇七年から一年間、百年以上の伝統を持つ東京の老舗菓子店「新宿中村屋」で技術を取得した。
 自身の店をオープンさせるにあたり、奈美さんは「家族全員が楽しめるお菓子を作りたい。喜ぶ顔を見るのが嬉しいんです」と笑顔を見せる。
 幹彦さんがオーナーを務め、兄景太さんが店のデザインを考えた。入口は全面ガラス張りの明るい雰囲気で、二階席まで吹き抜け。五百八十平米の広々とした店内は大理石が高級感を出し、壁一面の観葉植物が客の心を癒してくれる。
 ショーケースに並ぶのは、甘さ控えめのミルフィーユやモンブランなどのケーキやシュークリーム、チョコレート、クッキーの他に、クロワッサンなどのパン。クリームパンは日本仕込みの優しい味だ。
 素材は厳選し、京都宇治から取り寄せた抹茶を使ったシュークリームやロールケーキはこだわりの一品だとか。「カフェ・ド・セントロ」と提携してカフェにもこだわりをみせる。
 幹彦さんは、「はじめは少しずつ出来る範囲でやっていって、満足していただくことを考えています」と話し、「娘のお菓子を多くの人に知ってもらいたい。そのうち大きくしますよ」。さらに父娘の夢は広がる。
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 『Nami CHOUX(ナミ・シュー)』=十七日から開店。営業時間は午前十一時から午後七時(月曜日定休)。住所=Rua Manoel da Nobrega,521。電話=11・3051・3534。ケーキ類の値段は約三~十レアル。

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