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現代劇「ハムレット・クローン」=「ティー・ファクトリー」=シェイクスピア古典を翻案

7月15日(木)

  東京で現代演劇の旗手として活躍する「ティー・ファクトリー」が、シェイクスピアの悲劇「ハムレット」を大胆に翻案した「ハムレット・クローン」を十六日から十八日まで、サン・ジョゼ・ド・リオ・プレット市の市立劇場で上演する。同市が主催する国際演劇祭の海外招待作品で、今祭の統一テーマ「アメリカ」に楔を打ち込む作品だ。
 劇作・演出は川村毅(たけし)。躍動的な肉体表現と視覚的な舞台で古典を再構成した。音楽、映像、ダンスが融合するエンターテイメントとしての魅力も備える。
 テロ、戦争の世紀を迎えた「現在の東京」が物語に反映されている。ハムレットの一人は同性愛者として登場するなど、ジェンダー(社会的・文化的性差)を超えた存在として位置付けられた。男性中心主義が根強い「アメリカ」からの逸脱、自由の象徴でもある。四年前に初演され、昨年はドイツの現代演劇祭から招かれた。パリでワークショップ、メルボルンでは戯曲のリーディングが行われてきた
 東京は牢獄だ、と川村はいう。人工的に日焼けした女子高生、リストラの果て浮浪者となったサラリーマン。舞台の役者たちは鉄の檻の中に閉じ込められている。実社会の閉塞感の表現だ。公演に先駆けて来伯した制作の平井佳子さんは、「劇中のハムレットには色々な意味が重ねられている。王室に日本の皇室が二重写しにされているような映像も出てくる」と語る。
 「ハムレット・クローン」は再演の度に時代状況に合わせて練り直されてきた。「ブラジル版は七十分に短くした分、贅肉が落ちている。スピーディーにイメージをつなぎ、ダンスあり、パフォーマンスあり、初めての人でも抵抗なく観てもらえるはず」。
 ポルトガル語によるナレーションが付く。劇場はブリガデイロ・ファリア・リマ通り538。三日間とも午後九時から。二十一日にはサンパウロ市のSESCヴィラ・マリアーナでも公演予定。詳細は後日。

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